読書

シーソーモンスター | 人は争いの中で理解し進歩する

感想 バブルの只中、東西冷戦下の時代における嫁姑問題を題材にした『シーソーモンスター』と、2050年の日本を舞台にした逃走劇を描く『スピンモンスター』の中編2つ。 シーソーモンスター (単行本)作者: 伊坂幸太郎出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 20…

苦しかったときの話をしようか | 会社に尻尾を振ってはいけない

概要 「何をしたいのかわからない」「今の会社にずっといていいのか」と悩む人に贈るキャリア形成の考え方。 悩んだ分だけ、君はもっと高く飛べる! USJ復活の立役者が教える「自分をマーケティングする方法」。 苦しかったときの話をしようか ビジネスマンの…

日本人の勝算 | 唯一残された逃げ道

概要 人口減少と高齢化というターニングポイントに臨む日本。 そんなパラダイムシフトに打ち勝つ7つの生存戦略とは。 日本人の勝算: 人口減少×高齢化×資本主義作者: デービッドアトキンソン出版社/メーカー: 東洋経済新報社発売日: 2019/01/11メディア: 単行…

Think clearly | 52個もあればひとつくらいは当たるはず

概要 この複雑な世界を生き抜くために、私たちは何を指針にすればいいのだろう? 「よい人生」を送るための52の思考法を伝授する。 Think clearly 最新の学術研究から導いた、よりよい人生を送るための思考法作者: ロルフ・ドベリ,安原実津出版社/メーカー: …

死にがいを求めて生きているの | このホラーのテーマは生きがいと多様性です

あらすじ 誰とも比べなくていい。 そんな優しい言葉を囁かれて育った平成の若者は、 生きがいを見出せず、死にがいを求めて生きている。 死にがいを求めて生きているの作者: 朝井リョウ出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2019/03/07メディア: 単行本この…

Creative Selection | アップルの仕事の進め方

概略 長らくつまびらかにされていなかったアップルの製品開発のプロセスをSafari、iPhone、iPadなどの開発に携わった著者が告白する。 Creative Selection Apple 創造を生む力作者: ケン・コシエンダ,二木夢子出版社/メーカー: サンマーク出版発売日: 2019/0…

PIXAR 世界一のアニメーション企業の今まで語られなかったお金の話 | 夢だけで明日を生きることは難しい

概略 ジョブズが自腹で支えていた赤字時代のピクサーに財務担当として入社し、黒字体質への道筋を描き、IPO、そしてディズニーによる買収までつなげた著者の奮闘録。 世界一のアニメーション企業の今まで語られなかったお金の話" title="PIXAR 世界一のアニ…

きみの世界に、青が鳴る | 理想と成長の物語

感想 ※ネタバレあり 5年近く続いた階段島シリーズも今作で最後。 きみの世界に、青が鳴る (新潮文庫nex)作者: 河野裕出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2019/04/26メディア: 文庫この商品を含むブログを見る 計6冊の文庫を順番に並べると、 1. いなくなれ、群…

直感と論理をつなぐ思考法 | 想像力を磨くにはどうすればいいのだろう

概要 「論理に裏打ちされた戦略があってこそ、成功にたどりつける」 そんなかつてのビジネスの常識が変化の激しい現代で機能不全を起こしている。 一方で、現在のマーケットに強烈なインパクトを与えているのは、根拠のない直感や人には理解できないビジョン…

父が娘に語る 美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話。 | 経済を民主化する

感想 ラノベのように長いタイトルの経済書。タイトルだけではなく中身もラノベのように平易でわかりやすく、小説や映画を題材に、経済の誕生から借金の必要性、機械化の危険性を説く。 父が娘に語る 美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話…

プラットフォーム革命 | 新時代の幕開け

概略 世はまさにプラットフォーム時代と言わんばかりに、Google、Amazon、Facebookなどのプラットフォーマーたちのニュースを、テレビで見かけない日はない。 プラットフォームという言葉が当たり前のように交わされている状況だけれど、果たしてその本質を…

天才を殺す凡人 | 反発されたら天才だと思おう

概略 世の中には「天才」と「秀才」と「凡人」がいる。三者の間にはコミュニケーションの断絶がある。 凡人は天才を理解できず、排斥する。 秀才は天才に憧憬と嫉妬心を持つが、天才は秀才にそもそも関心がない。 秀才は凡人を見下し、凡人は秀才を天才と勘…

その日、朱音は空を飛んだ | 生きている人間には真実を曲げる権利がある

あらすじ ある日、学校の屋上から飛び降りた川崎朱音。 彼女の死が、進学校の日常を揺さぶる 自殺の原因は? 遺書はあったのか? ネットに流れる自殺の瞬間を撮ったのは誰? 彼女の死が歪んだ青春を照らし出す。 その日、朱音は空を飛んだ作者: 武田綾乃出版…

東京の子 | オリンピック後のディストピア

あらすじ オリンピックが終わった2023年の東京。減少する労働人口を補うべく、日本は多くの外国人労働者を受け入れていた。労働者に技能を身につけさせるベく、オリンピックの跡地に生まれた「理想の大学校」デュアルから、ベトナム人ファム・チ=リンが失踪…

データを誤魔化したくなったときに備えて読んでおきたい3冊

前置き 厚労省の統計調査の不正がニュースになっている。 でもこれは今に始まった話ではなくて、政府で始まった話でもなくて、最近続いている企業の不正と根っこは同じだと思う。 官民あげて、国全体がデータを誤魔化しに走っている。 そりゃ、自分に都合の…

FACTFULNES ファクトフルネス | TEDスピーカーが最期に伝える、たったひとつの冴えたやりかた

概要 あなたは本当に世界を正しく理解できているだろうか。 質問 世界の1歳児で、なんらかの予防接種を受けている子供はどのくらいいる? ・A 20% ・B 50% ・C 80% こんな簡単な質問でさえ、正答率は1/3を切る(正解はC)。ランダムに答えるよりも正答率が低…

カササギ殺人事件 | 一読で楽しむ二つの推理小説

あらすじ 『名探偵アティカス・ピュント』シリーズの最新刊の原稿を読み進めた編集者の私だが、原稿からは結末部分が抜けていた。著者に連絡をとれず憤りを募らせる私を待っていたのは、予想だにしない事態だった——。小説世界の謎解きと、現実世界の謎解きが…

出口から考えるFX | トレードルールを定量的に評価する

世の中にトレード指南書は数あれど、突き詰めて考えると定性的な解説で終わっているものがほとんど。 節目の価格帯なので反転すると考えてエントリー or 節目を抜けたのでトレンドができると考えてエントリーなど、あとでチャートを見ればその通りの動きをし…

かがみの孤城 | 思春期のモヤモヤを文章に

あらすじ ある出来事がきっかけで学校に行けなくなった中学一年生のこころ。毎日を家で過ごす彼女の前で、ある日突然、鏡が輝き出す。鏡をくぐった先には城があり、こころの他に中学生が六人集められていた。現実から隔てられた世界で、七人の中学生は心を通…

知ってるつもり 無知の科学 | 知ったかぶりは人類の性質

感想 「無知の知」を述べたのはソクラテス。 誰もが聞いたことのある有名な言い回しだけれど、 無知の知がなぜ重要なのか、 逆に、無知の無知がどうして起こるのか、 知っている人はいないのではないか。 この本は認知科学の視点で、その疑問に答える。 知っ…

一人の力で日経平均を動かせる男の投資哲学 | 伝説のトレーダーは意外と庶民的

「日経平均を動かせる男」という2つ名がかっこいい。 cisという3桁億単位の資産を持つ個人トレーダーがいることは知っていたけれど、その手法がどのようなものなのかは謎だった(ツイッターを覗いても「リネージュ2」の話題が大半で……)。 そんな生ける伝説…

NEW POWER これからの世界の「新しい世界」を手に入れろ | 新しい諸刃の剣

今の世界は、これまでの世界とは異なる力学で動いている。 ブレグジットもトランプ大統領の誕生も、従来の手法では全く予想ができなかった。 ISISの活動があれほど大規模なものになるとは誰も思わなかったし、アラブの春も、フランスの暴動も、ハリウッドの…

WIRED vol.31 “New Economy” | “New” で終わってしまわぬように

第30号で休刊となったコンデナスト・ジャパン版のWIREDが約1年ぶりにリブート。 ちょうど震災の直後に、目に止まった地球の表紙のWired vol.1を手に取って、テクノロジーが変える世界という記事の切り口におもしろさを感じて、それ以降、購読し続けた身とし…

やはり俺の青春ラブコメは間違っている。13 | ダークヒーローにハッピーエンドはあるか

あらすじ 保護者の意見によって自粛に追い込まれたプロムナード。 開催しようと修正案を練る雪ノ下雪乃だが、限界がある。 その姿を見て比企ヶ谷八幡は手を差し伸べようとするが、陽乃に指摘された「共依存」という言葉に縛られ、今までのようには雪乃を助け…

フーガはユーガ | 伊坂幸太郎の『悪童日記』

あらすじ 常盤優我は仙台市内のファミレスで一人の男に語り出す。 双子の弟・風我のこと、決して幸せえなかった子供時代のこと、 そして、彼ら兄弟だけの特別な「アレ」のこと。 —— 帯文より フーガはユーガ作者: 伊坂幸太郎出版社/メーカー: 実業之日本社発…

ハロー・ワールド|こんにちは、数年後の世界

あらすじ エンジニアの文椎<ふづい>は専門を持たない「何でも屋」。ささやかなITテクニックと仕事仲間と正義感を武器に、文椎がインターネットの自由を求めて立ち上がる短編集。 【Amazon.co.jp限定】ハロー・ワールド(特典: オリジナルショートストーリー…

マーケティングとは「組織革命」である | USJも最初はダメな組織だった

概要 なぜ、日本企業は非効率なのか? なぜ、あなたの提案が通らないのか? そこにはマーケティングの視点が抜けていた。 USJを再生した著者の実践に基づく組織論。 マーケティングとは「組織革命」である。 個人も会社も劇的に成長する森岡メソッド作者: 森…

ホモ・デウス | 人より出でし神はどこへ行くのか

概要 『サピエンス全史』著者が戦慄の未来を予言する。 『サピエンス全史』は私たちがどこからやってきたのか過去をを示した。一方で本書は私たちがどこへ向かうのか未来を描く。 人工知能や遺伝子工学といったテクノロジーで得た人類は、何を求め、どこへ向…

伊藤計劃の関連書籍たち | 彼の背中を追って読んだもの

はじめに 伊藤計劃という作家を知っているだろうか? 『虐殺器官』『ハーモニー』といったゼロ年代のSFを代表する作品を残しながら、34歳の若さで亡くなり、2年の作家生活を終えた人物。 彼が亡くなって来年で10年。 来年には「はてな ダイアリー」が終了予…

暗幕のゲルニカ | 暗幕に覆われた悲惨さ

あらすじ 国連本部。「テロとの戦い」と称して、イラク攻撃を宣言する米国務長官。 普段、「ゲルニカ」のタペストリーが飾られているはずのその背後には、それを隠すように暗幕がかけられていた。 世紀の画家、ピカソはその衝撃作にどんなメッセージを託した…