Subtle Blog

本や映画やドラマについての感想文

読書

『反脆弱性』を読んで日本を憂い、『失敗の本質』を戦時中から何も変わってないなと思う

前置き 毎週更新を目指しているこのブログですが、 今読んでいる『昨日までの世界』の読み応えがありすぎて1週間では読み終わらず、 映画も見たいものはだいたい見終わり(『カメラを止めるな!』を見たいけれど近くでは公開しておらず…)、 要はネタがない…

利食いと損切りのテクニック | 損失は全体の2%まで

目的 日本人の生涯年収が下降トレンドにあり、しかもこれからの(今からの?)超少子高齢化社会を考えると、税金だって上がるはずで、このままマジメに働くだけでは可処分所得は減るいっぽう。 そんな状況から脱したいと思い、普通の生活を就職してからのこ…

新・生産性立国論 | 途上国日本へ

内容 人口減少によって、今までの常識はすべて覆されます。人口激増が可能にした寛容な社会も、曖昧な制度も、日本的資本主義も、すべて根底から崩れ去ります。経済の常識も、企業と労働者の関係も、政治のあり方も、これまでとはまったく異なるものになるで…

プラネタリウムの外側 | どこまでも続く世界

あらすじ 一般的なコンピュータとは異なった動作原理を持つ、有機素子コンピュータ、IDA-XI。その内部では世界が構築され、会話シミュレーションが実行されていた。IDA-XIの中で構築された世界は、現実と何が違うのか。そもそもこの現実が、シミュレーション…

ニューエリート | オールドエリートな日本へ

内容 「楽しんで仕事した者勝ち」の世界がやってくる。今の生き方をいつまで続ける気ですか? ニューエリート グーグル流・新しい価値を生み出し世界を変える人たち作者: ピョートル・フェリクス・グジバチ出版社/メーカー: 大和書房発売日: 2018/02/23メデ…

グリフォンズ・ガーデン | 人工知能は胡蝶の夢を見るか?

あらすじ 東京の大学院で修士課程を終えたぼくは、就職のため、恋人の由美子とともに札幌の街を訪れた。勤務先の知能工学研究所《グリフォンズ・ガーデン》には、存在の公表されていないバイオ・コンピュータIDA-10があった。ぼくはそのコンピュータの中にひ…

火星に住むつもりかい? | 正義と平和は危ない言葉

あらすじ 「平和警察」によって取り締まれられる仙台。平和警察の管理下では、住人の監視と密告によって「危険人物」と見なされた者は、衆人環視の中で処刑される。そんな不条理渦巻く世界で窮地に陥った人々を救うのは「正義の味方」、ただ一人。平和警察と…

生きている会社、死んでいる会社 | これからの精神論

感想 精神論は好きじゃない。 楽して稼いだほうが偉いのは当たり前のことだと思う。 だから、効率性に焦点を当てた企業の利益率重視の動きや働き方改革が広まっていくのは、個人的にはありがたい。 けれど利益を重視することで、働き方を見直すことで、ぼく…

ブレイン・プログラミング | 成功したけりゃ手書きしろ

感想 この本から受けたメッセージは大きく分けて次の2つ。 成功したければ手書きすること 自分でコントロールできる範囲を明確にして、そのなかでの責任はすべて負うこと 自動的に夢がかなっていく ブレイン・プログラミング作者: アラン・ピーズ,バーバラ・…

多数決を疑う | 多数決を捨てるとき

感想 某国のリーダーの言動であったり、政治であったり、「なんでこんなことが?」と思うことが多い。そういう声が多数を占めたとき、政権交代や選挙が始まる。 けれど、国民から不評をかったリーダーたちも、もともとは選挙による「多数決」で選ばれた人た…

地下鉄道 | 「自由」を求める我々はそれがどんなものであるかを知らない

あらすじ 舞台は19世紀、奴隷制度が根付くアメリカ南部。農園の奴隷であるコーラは、その劣悪な環境から逃亡することを決意する。農園を抜け出し、「地下鉄道」に乗って、奴隷制度のない北部を目指すコーラ。その先に待ち受ける「自由」とは。 地下鉄道作者:…

ティール組織 | 組織をもっとシンプルに

あらすじ 上下関係も、売上目標も、予算もない。 従来のアプローチの限界の限界を突破し、圧倒的な成果をあげる組織が世界中で現れている。膨大な事例研究から導かれた新たな手法の秘密とは。 (帯文より) ティール組織――マネジメントの常識を覆す次世代型…

八月十五日に吹く風 | 人の心を忘れたとき

あらすじ 人命を軽んじ易々と玉砕するという野蛮な日本人観が戦時中のアメリカでは広まっていた。そんな日本人観が覆る決め手となった北の最果てキスカ島での救出劇。五千人の兵員を助けた戦史に残る大規模撤退作戦を描く物語。 八月十五日に吹く風 (講談社…

ナミヤ雑貨店の奇蹟 | 相談するとき答えはすでに決まっている

あらすじ 悪事を働いた3人が逃げ込んだ古い家。そこはかつて悩み相談を請け負っていた雑貨店だった。廃業しているはずの店内に、悩み相談の手紙が届く。3人は戸惑いながらも当時の店主・浪矢雄治に代わって返事を書くが——。 ナミヤ雑貨店の奇蹟 (角川文庫)作…

羊と鋼の森 | 成長とは自分の「正しさ」を貫くこと

あらすじ 本屋大賞受賞作の文庫化。 高校生の時の偶然の出会いで調律に魅せられた外村は、念願の調律師として働き始める。ひたすら音と向き合い、人と向き合い、外村は調律の森へと深く分け入っていく。 羊と鋼の森 (文春文庫)作者: 宮下奈都出版社/メーカー…

夜空の呪いに色はない | 夜を経験せずに大人になれるのか

あらすじ 『階段島』シリーズ第五弾。 捨てられた人格が生活し、魔女が支配する「階段島」。その島にやってきた小学生の大地を現実に戻すべく、高校生の七草と真辺は奔走する。大地のような幼い少年が、自分の人格を捨てるなんてことがあってはならない、と…

未必のマクベス | 台本通りに進む人生なんて

あらすじ IT企業に勤める中井優一は、東南アジアを中心に交通系ICカードの販売に携わっていた。あるとき優一はマカオの娼婦から「あなたは、王として旅を続けなくてはならない」と予言めいた言葉を告げられる。やがて香港の子会社の代表取締役として出向を命…

新・所得倍増論 | 「技術力」という魔法から目を覚まそう

1年ほど前に読み終えた本だけれど、この本の内容について、最近思うことがあるので。「働き方改革」とか「生産性の向上」という言葉がちまたにあふれ始めたのは、この本が出てからではなかろうか。 デービッド・アトキンソン 新・所得倍増論作者: デービッド…

漫画 君たちはどう生きるか | 忘れがちな大切なこと

漫画 君たちはどう生きるか作者: 吉野源三郎,羽賀翔一出版社/メーカー: マガジンハウス発売日: 2017/08/24メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログ (11件) を見る 去年の秋くらいから書店に並んでいるのは見ていたけれど、宮崎駿の新作のタイ…

SHOE DOG | はじめに信念ありきと彼は言った

SHOE DOG(シュードッグ)作者: フィル・ナイト,大田黒奉之出版社/メーカー: 東洋経済新報社発売日: 2017/10/27メディア: 単行本この商品を含むブログ (2件) を見る 2018年1発目に紹介する本は、新年の幕開けにふさわしく、気分がアガってやる気にさせてくれる…

10億ドルを自力で稼いだ人は何を考え、どう行動し、誰と仕事をしているのか | ビリオネアも普通の人である

ラノベのタイトルみたいに長いタイトルですが、中身は無駄なくまとまっていて、巻末のビリオネア一覧や参考文献を除いたら、200ページ弱の軽量級。 身近にいないものだから神格化されがちなビリオネア起業家の実態を調査して、その生態をまとめたといった内…

エクソダス症候群 | 逃げ道だって無限にあるわけじゃない

久しぶりに伊藤計劃風味のSFを読んだ。 これだけで感想としては十分かもしれない。 エクソダス症候群 (創元SF文庫)作者: 宮内悠介出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2017/07/20メディア: 文庫この商品を含むブログを見る あらすじ 人類が火星に移住を開始…

私的 Book of the Year 2017 | 数年後も本棚に残したいもの

12月に入り、Amazonが2017年の本のランキングを出す季節になってまいりましたので、自分でも今年読んだ本の中で良いなと思ったものを3冊ほどまとめておこうかと。基準は、数年後も本棚に残しておきたいかどうか。 ちなみに、私のオール・タイム・ベストは伊…

マネーの進化史 | お金の歴史からビットコインの行く末に思いを馳せる

ついにビットコインが100万円を超えました。その後、130万円を叩き、ナスダックで扱われるようになる様子。サトシナカモトという謎の人物の思いつきから生まれたこのコインも、ここまできたら無視はできない。 一方で、投機だ、バブルだという批判があるのも…

残酷すぎる成功法則 | 自己啓発の科学的まとめ本

自己啓発と聞くと、如実に嫌な顔をする人がいる。それは無理もない話で、これまでの自己啓発本の多くは科学的な証拠がなく、「こうすればうまくいきますよ、信じてください」というようなものが多かった。それではほとんど宗教と同じである。普通の人は宗教…

ザ・サークル|人生お金じゃない、いいね!の数だ

『ベストセラー・コード』でアルゴリズムが絶賛し、11月10日にはトム・ハンクスとエマ・ワトソンが出演する映画が公開! 否が応でも期待が高まる。 ザ・サークル (上) (ハヤカワ文庫 NV エ 6-1)作者: デイヴエガーズ,吉田恭子出版社/メーカー: 早川書房発売…

ホワイトラビット|とびはねるプロット

いつも他の作家とは違った語り口で読者を楽しませるのが伊坂幸太郎だけれど、今回はいつも以上のぶっ飛びよう。 神さまのような視点から「次にはこういうことが起こります」「そのころこちらではこういうことが……」と地の文で説明してしまう(『レ・ミゼラブ…

隷属なき道|閉塞感を打ち破るためのシステムは?

サブタイトルからして「人工知能で人間の仕事の半分がなくなるから、ベーシックインカムで対応しましょ」って話かと思ったら、もっと広く不可避でどうしようもない話。そもそもAIなんてきっかけのひとつに過ぎず、格差や停滞で今の社会制度は限界だから、ベ…

東芝の悲劇|どこにでもある日本企業の話

東芝、タカタ、日産、神戸製鋼。 名だたる日本の企業の不祥事が続く中、曲がりなりにも日本企業に勤めている身として、組織が崩壊に向かうとき、その内部で何が起きているのか知っておきたかったので。 読んでみると、別に東芝特有の話ではなくて、大半の日…

ベストセラーコード|アルゴリズムかく語りき

物語で人は動く。 適切な物語さえ与えれば、自己犠牲を厭わない英雄的な行動も、ホロコーストのような残虐な行為も、人間にはできてしまう。それほどに物語の力は強力なのだ。 その昔、何かを物語ることは神さまだけの特権だった。人間は神さまが語る物語を…