苦しかったときの話をしようか | 会社に尻尾を振ってはいけない

概要

「何をしたいのかわからない」「今の会社にずっといていいのか」と悩む人に贈るキャリア形成の考え方。
悩んだ分だけ、君はもっと高く飛べる!
USJ復活の立役者が教える「自分をマーケティングする方法」。

苦しかったときの話をしようか ビジネスマンの父が我が子のために書きためた「働くことの本質」

苦しかったときの話をしようか ビジネスマンの父が我が子のために書きためた「働くことの本質」

感想

ビジネスパーソン向けに広告がうたれているけれど、就活生がターゲットの内容。
もともとは著者の子どもたちが社会人となるときのために、著者の経験とキャリア形成の考え方を書き溜めていたものを書籍化したとのことなので、内容が就活生向けに偏るのは当然のこと。
それをビジネスパーソン向けに広告しているのは、本の中にある「ターゲット顧客を明確にせよ」という教えと矛盾しているような気がしないでもないけれど、就活生でも、若手社員でも、中堅社員でもキャリア形成の考え方は基本的には変わらないはず。だからビジネスパーソンが読んでも、タメになる内容だと思う。

本の中で繰り返し語られるのは、自分の「強み」と「弱み」を知り、「軸」を作れということ。それができたら、強みを伸ばすことに専念せよということ。
その強みを伸ばすために、会社を使えというのが著者のスタンス。

避けた方が良いのは君にどんな職能が身につくのか想像がつかない会社だ。その会社の30歳前後の人に何人か、どんな職能を持っているか、今どんな権限で何の仕事をしているか、聞いてみたら良い。明快な答えが返ってこないのであれば、それはプロを育てない組織である可能性が高い。実際に多くの企業のシステムはそれに近い状態になっているから気をつけねばならない。 p147

なんだか自分のことを言われているようで身に沁みる。

強みを伸ばすより、弱みをカバーすることを重視する日本の教育に身を委ねてきた自分としては、弱みを放っておくことに抵抗があるけれど、それは心配するなと言う。
組織でやることの意味は、ある人の弱みを、別の人の強みでカバーできることにあるのだから。 弱みもない、強みもない、平均的な人間ばかりを集めた組織は結局、平均的な成果しか生み出せず、消えていくのだろうなと。

まずは己を知り、強みと軸を定めること。
そしてその強みと軸を伸ばすために会社を選ぶこと。
それがキャリア形成の基本。

苦しかったときの話をしようか ビジネスマンの父が我が子のために書きためた「働くことの本質」

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