『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』感想 | 運命の反対は自由


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目に輝きのない少女マンガのような演出が始まったときにはどうなることかと思ったけれども、SEEDにきちんとけじめをつける完結編。

なぜ敵さんが心を読めるのかさっぱりわからないし、ジャスティスがズゴックの中に潜む必要性もわからなければ、小惑星の裏側にいる戦艦を透視し切断できるモビルスーツの神のごとき性能に唖然とする。まさにデウス・エクス・マキナ。
他にも少なからぬ疑問はあるけれど、この作品の自由と愛のもとでは無意味である。
キラの乗る機体の登場シーンでMeteorが流れれば、それだけで小さな疑問は胡散霧消して気分が上がる。
しかもそのシーンが自分を犠牲にして仲間を助ける覚悟を象徴するSEEDのシーンとは対象的に、キラを守るためのシーンで流れるものだから喜びもひとしお。シンジくんといいキラといい、10代の少年に過分な自己犠牲を要求していた平成という時代はなんだったのでしょう。

毎年のように惑星を滅ぼす規模の戦争をしても1, 2年後にはまた同等のドンパチをできるこの世界の技術力はいったいどうなっているのかとか、先進的なはずのコーディネーターが突き詰めると思想も服装も前時代的になるのは不思議だなあとか、ここまで「遺伝子」を前面に押し出すなら新規カットの種割れシーンのDNAはメジャーグルーヴとマイナーグルーヴをきちんとつけてほしいとか、余計なことを思ったりもしたけれど、20年ぶりのいい同窓会だったのは間違いない。