NETFLIX『三体』感想 | 人類には早すぎるのかもしれない


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中国発のハードSFがNETFLIXで実写化。
原作と違って舞台をイギリスにし、主要人物も大学の同級生で固めて、物語的にわかりやすくしようとしているのはわかるけれど、肝心の科学部分が難解なままで、尺の都合なのか原作以上に説明がないので、みんなが理解して楽しめるという作品ではない気がする。映像は見映えがするけれど。
『オッペンハイマー』でも思ったけれど、最近、こういうふうに楽しむのに前提知識が必要とされる作品が多いな。エンタメが専門化している感じ。

ストーリーの順序にも手が入っていて、原作1巻『三体』のラスト近くにある三体との交信開始のシーンはドラマの序盤に。一方で、第1シーズンのラストは2巻の『黒暗森林』の序盤を取り込んで終わるので、どこか消化不良な感じ。
何かもう、ここまで来るなら黒暗森林理論までいってもよかったのではと思う。
原作と違って3巻の『死神永生』の布石も第一シーズンで打っているので、制作段階では三体三部作をやり切るつもりなのだろう。
とはいえ万人受けするような内容ではないので、視聴回数にシビアなNETFLIXはどこまで我慢するだろうか。『死神永生』の次元攻撃を映像で見てみたいけれど…。