FACTFULNES ファクトフルネス | TEDスピーカーが最期に伝える、たったひとつの冴えたやりかた

概要

あなたは本当に世界を正しく理解できているだろうか。
質問 世界の1歳児で、なんらかの予防接種を受けている子供はどのくらいいる?
・A 20%
・B 50%
・C 80%
こんな簡単な質問でさえ、正答率は1/3を切る(正解はC)。ランダムに答えるよりも正答率が低く、専門家や学歴のある人ほど正答率が低い。その理由は、人間に備わった10の本能による思い込みに囚われているためだ。
この本は読者をそんな思い込みから解放し、事実をもとに世界を理解するための方法を教えてくれる。

FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣

FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣

  • 作者: ハンス・ロスリング,オーラ・ロスリング,アンナ・ロスリング・ロンランド,上杉周作,関美和
  • 出版社/メーカー: 日経BP社
  • 発売日: 2019/01/11
  • メディア: 単行本
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著者について

著者はハンス・ロスリング。
TEDトークで何度も講演し、再生回数の上位に並んでいる。僕もいくつか見たことがある。

www.ted.com

2017年に亡くなったそうで、本書は余命の宣告を受けた最後の年に、全力で書き上げた本。
本の各所に、次の世代への暖かい眼差しを感じる。

謙虚さと好奇心を持つことを子供たちに教えよう。 謙虚であるということは、本能を抑えて事実を正しく見ることがどれほど難しいかに気づくことだ。自分の知識が限られていることを認めることだ。堂々と「知りません」と言えることだ。新しい事実を発見したら、喜んで意見を変えられることだ。謙虚になると、心が楽になる。何もかも知っていなくちゃならないというプレッシャーがなくなるし、いつも自分の意見を弁護しなければと感じなくていい。 p316

感想

誰もが情報を発信できる世界になったけれど、情報の多くはその発信者の信念や利益が絡んで多かれ少なかれ歪んでしまっている。
「フェイクニュース」がキーワードになってしまった現代で、僕らは何を信じて行動すればいいのだろうか。

この本の答えはいたってシンプルで、データと事実をもとに行動せよと言う。
そんなの当たり前じゃないかと思うかもしれないけれど、本の中にある13のクイズで不正解を連発するうちに、どれだけ自分がその当たり前のことをできていなかったのか、そして、いかにできているつもりになっていたのかを思い知る。
もしも自分の正解率が低くても心配しなくていい。世界的に見ても、正答率が1/3を切るのだから。世界を正しく理解していない人が、圧倒的多数派というわけだ。

どうしてそんなことが起きるのか。
本では人間に備わった10の本能を理由に上げる。
1. 分断本能
2. ネガティブ本能
3. 直線本能
4. 恐怖本能
5. 過大視本能
6. パターン化本能
7. 宿命本能
8. 単純化本能
9. 犯人探し本能
10. 焦り本能
それぞれの本能を理解して、人間がどれだけ思い込みをもとに行動しやすいかに気づくことができれば、世界を正しく見ることができるようになる。
世界を正しく見ることができるようになれば、より良い世界に一歩近づくことができる。

TEDの人気スピーカーが最期に残したこの本は、事実を理解し正しい判断を下すために欠かせない一冊だ。

FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣

FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣

  • 作者: ハンス・ロスリング,オーラ・ロスリング,アンナ・ロスリング・ロンランド,上杉周作,関美和
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