概要
なぜ、日本企業は非効率なのか?
なぜ、あなたの提案が通らないのか?
そこにはマーケティングの視点が抜けていた。
USJを再生した著者の実践に基づく組織論。
マーケティングとは「組織革命」である。 個人も会社も劇的に成長する森岡メソッド
- 作者: 森岡毅
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2018/05/24
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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感想
最近、こういう関係の本をよく読むけれど、共通して言われるのは今までが「ゆとり」だったという話。
『新・生産性立国論』しかり『転職の思考法』しかり。
- 作者: デービッドアトキンソン,David Atkinson
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2018/02/23
- メディア: 単行本
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このまま今の会社にいていいのか?と一度でも思ったら読む 転職の思考法
- 作者: 北野唯我
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2018/06/21
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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人口が増加していた今までは、その神風とも言える波に乗ってさえいれば、組織も人も安泰だったけれど、これからの時代は違うぞと。よほど効率化して意識も変えていかないと、会社も人も生き残れないぞと。
私が受けた教育は「ゆとり教育」と呼ばれ、ときに蔑まれているわけですが、上の世代も同様に、後から見れば「ゆとり」と言われるようなビジネス環境にいたのではないでしょうか。
この本も似たようなスタンスで、組織を変えないと生き残れないと警鐘を鳴らす。
この日本市場には、消費者視点とは決して言えないのに50年や100年も大きな規模を維持している会社もあります。何もしなくても市場が拡大し続ける高度経済成長の波に乗って、あるいは規制に守られて、右肩上がりの社会経済構造に助けられて、たまたま適応していたのです。しかし、ここからの未来を生き残れるでしょうか? p52
そんなぬるま湯に浸かり続けて、非効率に歪んだ組織を立て直すには、マーケティングが力を発揮するしかないと著者は言う。
このマーケティングとは、商品を宣伝するという狭い意味ではなくて、顧客のニーズを聞き、商品開発の指揮をとるという、もっと広い意味の話。顧客のニーズと社内のリソースが集まる交差点であるマーケティングが組織の指揮をとることで、組織は効率化するという。そして日本企業は概してここが弱い。
狭義のマーケティングが蔓延している会社で最もよく見られる問題点は、マーケティング戦略の下で商品開発が機能していないという点です。(中略)技術ドリブンな会社では、商品開発がマーケティング戦略を支配する本末転倒な構造すら珍しくありません。 p59
そんな組織を変えるには、どうすればいいかということを「自己保存」という言葉をテーマに解説する。
人間は今までやってきたことを変えたくない。ましてや組織のトップは今まで会社がやってきたことを繰り返して認められてきた人たちだ。
そりゃ、変化せず自己保存に走りたくなるよ、人間だもの。
けれど、変化をしなければ組織は死ぬ。だから、その自己保存を逆に利用して、組織に変化を起こすための方法を解説されている。
そのやり方は解説されても、実践することはなかなかに難しそうなもの。著者のように強い意志がなければ成功することはできないだろう。
けれど、希望はある。
著者が立て直したUSJも、初めは保守的な組織だったけれど、今では積極的に投資して、ハリー・ポッターのテーマパークを運営するまでに成長している。
組織は変化できる。
あとはあなたに組織を変化させるだけの熱量があるかどうか。
マーケティングとは「組織革命」である。 個人も会社も劇的に成長する森岡メソッド
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