第30号で休刊となったコンデナスト・ジャパン版のWIREDが約1年ぶりにリブート。
ちょうど震災の直後に、目に止まった地球の表紙のWired vol.1を手に取って、テクノロジーが変える世界という記事の切り口におもしろさを感じて、それ以降、購読し続けた身としては嬉しい限り。
リブート号の表紙は、2011年の創刊号と同じく、スティーブ・ジョブズが影響を受けたホール・アース・カタログをリスペクトした地球の絵。
WIRED (ワイアード) VOL.31 「ニューエコノミー」ぼくらは地球をこうアップデートする
- 作者: Condé Nast Japan (コンデナスト・ジャパン),WIRED編集部
- 出版社/メーカー: プレジデント社
- 発売日: 2018/11/13
- メディア: 雑誌
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テーマは「New Economy」。
US版WIREDの創刊25周年と相まって、『フリー ―<無料>からお金を生みだす新戦略』『ロングテール‐「売れない商品」を宝の山に変える新戦略 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)』『MAKERS 21世紀の産業革命が始まる』のクリス・アンダーソンや、ビル・ゲイツなど、そうそうたるメンバーの寄稿なり、インタビューなりが集められている。
中でも驚いたのが、Wired創刊当時のメンバーだったケビン・ケリーのインタビュー記事。
『<インターネット>の次に来るもの』を読んで、この人の語り口と本質と捉える観察眼に、いたく敬服していたのだけれど、記事を読むとインターネットの本質が「シェアすること」であると、20年以上前から指摘していたそうではないですか。
インターネットの黎明期に、SNSの原型の概念にたどり着いていたなんて……
- 作者: ケヴィン・ケリー,服部桂
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 2016/07/23
- メディア: 単行本
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「これから新しい時代が来るぞ」という記事が多い中で、異質なのが中盤のページにある『さいごのユートピア』という漫画。
遠い未来、はるか彼方の荒涼とした惑星で、人類はドームの中にユートピアを形成していた。
ある日、ドームの外周の管理人がドームの内側から逃げ出してきた少女を発見する。
少女はドームの外側の過酷な世界を見て、ドームの内側のユートピアが多大な犠牲のもとに築かれているのだと知り、現状を革命することを決意してドームの中へと戻っていく。
その少女の後ろ姿を管理人は、今までも同じように革命を志す人間はいたけれど、誰一人として成し遂げた者はいない、と思いながら見送る。
はてさて今回のテーマは「New Economy」。
この “New” は新しいだけで終わってしまうのか。
それとも時代を変えるのか。
まだ誰にもわからない。
WIRED (ワイアード) VOL.31 「ニューエコノミー」ぼくらは地球をこうアップデートする
- 作者: Condé Nast Japan (コンデナスト・ジャパン),WIRED編集部
- 出版社/メーカー: プレジデント社
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