父が娘に語る 美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話。 | 経済を民主化する

感想 ラノベのように長いタイトルの経済書。タイトルだけではなく中身もラノベのように平易でわかりやすく、小説や映画を題材に、経済の誕生から借金の必要性、機械化の危険性を説く。 父が娘に語る 美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話…

プラットフォーム革命 | 新時代の幕開け

概略 世はまさにプラットフォーム時代と言わんばかりに、Google、Amazon、Facebookなどのプラットフォーマーたちのニュースを、テレビで見かけない日はない。 プラットフォームという言葉が当たり前のように交わされている状況だけれど、果たしてその本質を…

グリーンブック | とても無難なアカデミー賞作品賞

アカデミー賞作品賞受賞作ということで観てきました。 白人と黒人のコンビということで、『最強のふたり』を思い浮かべながら、 どれほどの感動作なのかとハードルを上げて観たのだけれど、とても無難な仕上がりで、語ることに困るなぁ……。 人種差別がテーマ…

人口減少でゾンビ化する制度

前置き 「このチェック項目って何のためにあるんでしょう?」 先日、業務に使用しているチェックシートについて相談された。 業務効率化の一環で、ムダな部分がないかを確認していたところ、その項目に気づいたという。 相談者が疑問に思うのも納得で、仕様…

天才を殺す凡人 | 反発されたら天才だと思おう

概略 世の中には「天才」と「秀才」と「凡人」がいる。三者の間にはコミュニケーションの断絶がある。 凡人は天才を理解できず、排斥する。 秀才は天才に憧憬と嫉妬心を持つが、天才は秀才にそもそも関心がない。 秀才は凡人を見下し、凡人は秀才を天才と勘…

スパイダーマン:スパイダーバース | アメコミを再現する映画

感想 先行上映で見てきました。 予告編で気になってはいたけれど、今までの3Dアニメーションとは毛色が違いすぎて、悪くいえばゲテモノかもしれないと、見送る方針でいたのですが、 アカデミー賞をはじめとして、名だたる長編アニメーション部門を総ナメにす…

ROMA / ローマ | 波の向こうに家族を見つける

感想 以下、ネタバレあり アカデミー賞の最有力候補に挙げられているアルフォンソ・キュアロン監督作品。 キュアロンといえば、原題とは意味が真逆になった『ゼロ・グラビティ(原題:Gravity)』といい、原型を留めていない『トゥモロー・ワールド(原題:C…

その日、朱音は空を飛んだ | 生きている人間には真実を曲げる権利がある

あらすじ ある日、学校の屋上から飛び降りた川崎朱音。 彼女の死が、進学校の日常を揺さぶる 自殺の原因は? 遺書はあったのか? ネットに流れる自殺の瞬間を撮ったのは誰? 彼女の死が歪んだ青春を照らし出す。 その日、朱音は空を飛んだ作者: 武田綾乃出版…

東京の子 | オリンピック後のディストピア

あらすじ オリンピックが終わった2023年の東京。減少する労働人口を補うべく、日本は多くの外国人労働者を受け入れていた。労働者に技能を身につけさせるベく、オリンピックの跡地に生まれた「理想の大学校」デュアルから、ベトナム人ファム・チ=リンが失踪…

データを誤魔化したくなったときに備えて読んでおきたい3冊

前置き 厚労省の統計調査の不正がニュースになっている。 でもこれは今に始まった話ではなくて、政府で始まった話でもなくて、最近続いている企業の不正と根っこは同じだと思う。 官民あげて、国全体がデータを誤魔化しに走っている。 そりゃ、自分に都合の…

FACTFULNES ファクトフルネス | TEDスピーカーが最期に伝える、たったひとつの冴えたやりかた

概要 あなたは本当に世界を正しく理解できているだろうか。 質問 世界の1歳児で、なんらかの予防接種を受けている子供はどのくらいいる? ・A 20% ・B 50% ・C 80% こんな簡単な質問でさえ、正答率は1/3を切る(正解はC)。ランダムに答えるよりも正答率が低…

カササギ殺人事件 | 一読で楽しむ二つの推理小説

あらすじ 『名探偵アティカス・ピュント』シリーズの最新刊の原稿を読み進めた編集者の私だが、原稿からは結末部分が抜けていた。著者に連絡をとれず憤りを募らせる私を待っていたのは、予想だにしない事態だった——。小説世界の謎解きと、現実世界の謎解きが…

出口から考えるFX | トレードルールを定量的に評価する

世の中にトレード指南書は数あれど、突き詰めて考えると定性的な解説で終わっているものがほとんど。 節目の価格帯なので反転すると考えてエントリー or 節目を抜けたのでトレンドができると考えてエントリーなど、あとでチャートを見ればその通りの動きをし…

かがみの孤城 | 思春期のモヤモヤを文章に

あらすじ ある出来事がきっかけで学校に行けなくなった中学一年生のこころ。毎日を家で過ごす彼女の前で、ある日突然、鏡が輝き出す。鏡をくぐった先には城があり、こころの他に中学生が六人集められていた。現実から隔てられた世界で、七人の中学生は心を通…

知ってるつもり 無知の科学 | 知ったかぶりは人類の性質

感想 「無知の知」を述べたのはソクラテス。 誰もが聞いたことのある有名な言い回しだけれど、 無知の知がなぜ重要なのか、 逆に、無知の無知がどうして起こるのか、 知っている人はいないのではないか。 この本は認知科学の視点で、その疑問に答える。 知っ…

一人の力で日経平均を動かせる男の投資哲学 | 伝説のトレーダーは意外と庶民的

「日経平均を動かせる男」という2つ名がかっこいい。 cisという3桁億単位の資産を持つ個人トレーダーがいることは知っていたけれど、その手法がどのようなものなのかは謎だった(ツイッターを覗いても「リネージュ2」の話題が大半で……)。 そんな生ける伝説…

NEW POWER これからの世界の「新しい世界」を手に入れろ | 新しい諸刃の剣

今の世界は、これまでの世界とは異なる力学で動いている。 ブレグジットもトランプ大統領の誕生も、従来の手法では全く予想ができなかった。 ISISの活動があれほど大規模なものになるとは誰も思わなかったし、アラブの春も、フランスの暴動も、ハリウッドの…

シュガーラッシュ オンライン | Wi-Fiを抜けると、そこはディズニーだった

『シュガー・ラッシュ』、6年ぶりの続編。 www.disney.co.jp 悪役の悲哀と孤独なヒロイン、そして何より、懐かしのゲームキャラクターが魅力的なストーリーラインに絡んでくることで、なかなかに楽しい映画に仕上がっていた『シュガー・ラッシュ』。 舞台設…

WIRED vol.31 “New Economy” | “New” で終わってしまわぬように

第30号で休刊となったコンデナスト・ジャパン版のWIREDが約1年ぶりにリブート。 ちょうど震災の直後に、目に止まった地球の表紙のWired vol.1を手に取って、テクノロジーが変える世界という記事の切り口におもしろさを感じて、それ以降、購読し続けた身とし…

価値のあるAIに説明責任は負えるのか

今週、新聞が取り上げていた政府策定のAIの7原則。 AIは人間の基本的人権を侵さない 誰もがAIを利用できるよう教育を充実 個人情報を慎重管理 AIのセキュリティーの確保 公正な競争環境の維持 AIを利用した企業に決定過程の説明責任 国境を越えてデータを利…

ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生 | ウィザーディング・ワールドは中つ国を目指す

感想 ハリー・ポッターは原作から入って、映画7部作(8部作?)は途中でフェードアウトした口なんですが、ファンタスティック・ビーストはハリポタ以上におもしろくなるかもしれない。 ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生 レンズと光の魔法――…

ブラックフライデーに思う祝祭資本主義の始まり

今年から日本でも市民権を得た感じのブラックフライデー。 前々からやっていたところもあるんだろうけど、今年は特に「ブラックフライデー」というノボリや看板が目立っていたような。 みなさん良いもの買えましたでしょうか? 私はといえば、『FIFA19』のブ…

やはり俺の青春ラブコメは間違っている。13 | ダークヒーローにハッピーエンドはあるか

あらすじ 保護者の意見によって自粛に追い込まれたプロムナード。 開催しようと修正案を練る雪ノ下雪乃だが、限界がある。 その姿を見て比企ヶ谷八幡は手を差し伸べようとするが、陽乃に指摘された「共依存」という言葉に縛られ、今までのようには雪乃を助け…

フーガはユーガ | 伊坂幸太郎の『悪童日記』

あらすじ 常盤優我は仙台市内のファミレスで一人の男に語り出す。 双子の弟・風我のこと、決して幸せえなかった子供時代のこと、 そして、彼ら兄弟だけの特別な「アレ」のこと。 —— 帯文より フーガはユーガ作者: 伊坂幸太郎出版社/メーカー: 実業之日本社発…

ハロー・ワールド|こんにちは、数年後の世界

あらすじ エンジニアの文椎<ふづい>は専門を持たない「何でも屋」。ささやかなITテクニックと仕事仲間と正義感を武器に、文椎がインターネットの自由を求めて立ち上がる短編集。 【Amazon.co.jp限定】ハロー・ワールド(特典: オリジナルショートストーリー…

ボヘミアン・ラプソディ | 初心者こそ楽しめる伝記映画

あらすじ 伝説のバンド「クイーン」のフレディ・マーキュリーの華やかな成功と波乱万丈の人生。 ボヘミアン・ラプソディ(オリジナル・サウンドトラック)アーティスト: クイーン出版社/メーカー: Universal Music =music=発売日: 2018/10/19メディア: CDこの…

ハウス・オブ・カード | 皮肉な現実に追いつかれたドラマ

あらすじ ホワイトハウス入りを目指す下院議員のフランシス・アンダーウッド。大統領候補であるウォーカーに手を貸し、彼が大統領になったあかつきには国務長官のポストをもらう約束をしていた。しかし、ウォーカーはアンダーウッドを裏切り、別の人物を国務…

マーケティングとは「組織革命」である | USJも最初はダメな組織だった

概要 なぜ、日本企業は非効率なのか? なぜ、あなたの提案が通らないのか? そこにはマーケティングの視点が抜けていた。 USJを再生した著者の実践に基づく組織論。 マーケティングとは「組織革命」である。 個人も会社も劇的に成長する森岡メソッド作者: 森…

ホモ・デウス | 人より出でし神はどこへ行くのか

概要 『サピエンス全史』著者が戦慄の未来を予言する。 『サピエンス全史』は私たちがどこからやってきたのか過去をを示した。一方で本書は私たちがどこへ向かうのか未来を描く。 人工知能や遺伝子工学といったテクノロジーで得た人類は、何を求め、どこへ向…

伊藤計劃の関連書籍たち | 彼の背中を追って読んだもの

はじめに 伊藤計劃という作家を知っているだろうか? 『虐殺器官』『ハーモニー』といったゼロ年代のSFを代表する作品を残しながら、34歳の若さで亡くなり、2年の作家生活を終えた人物。 彼が亡くなって来年で10年。 来年には「はてな ダイアリー」が終了予…