天気の子 | ボクとセカイの向き合い方

以前の記事であまり良いことを書かなかったくせに、2度目の観賞です。 2回目ともなると、展開も登場人物も頭に入っているので、話の展開と演出が『君の名は。』に似ていようとも、『君の名は。』と同じ登場人物が出てこようとも、冷静に受け止められる。 小…

クジラアタマの王様 | 夢に逃げるな。現在と戦え。

あらすじ 製菓会社に寄せられた一本のクレーム電話。広報部員・岸はその事後対応をすればよい…はずだった。訪ねてきた男の存在によって、岸の日常は思いもよらない事態へと一気に加速していく。不可思議な感覚、人々の集まる広場、巨獣、投げる矢、動かない…

三体 | 名作SFてんこ盛り

あらすじ 物理学者の父を文化大革命で惨殺され、人類に絶望した中国人エリート女性科学者・葉文潔(イエ・ウェンジエ)は、謎めいた軍事基地にスカウトされる。そこでは、人類の運命を左右する極秘プロジェクトが進行していた。 数十年後。ナノテク素材の研究…

死に山 | 初動が大事

概要 1959年。ソ連のウラル山脈での不気味な遭難事故。 氷点下の中にも関わらず、犠牲者は衣服をろくに着けておらず、全員が靴を履いていない。 三人は頭蓋骨折などの重傷、女性メンバーの一人は舌を喪失。 遺体の着衣からは異常な濃度の放射線が検出された…

天気の子 | 『君の名は。』と鏡合わせの物語

感想 ※ネタバレあり 異常な雨が降り続く東京。 新海誠の新作は、晴れ間のない今年の夏を予期していたかのような舞台設定で繰り広げられるボーイミーツガールの物語。 出典:映画『天気の子』公式サイトより 『君の名は。』とは正反対のテーマ どうしても大ヒ…

シーソーモンスター | 人は争いの中で理解し進歩する

感想 バブルの只中、東西冷戦下の時代における嫁姑問題を題材にした『シーソーモンスター』と、2050年の日本を舞台にした逃走劇を描く『スピンモンスター』の中編2つ。 シーソーモンスター (単行本)作者: 伊坂幸太郎出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 20…

ストレンジャー・シングス 3 | ソ連はモンスターも同然

出典:ストレンジャー・シングス 未知の世界 | Netflix (ネットフリックス) 公式サイト 感想 アメリカの田舎町・ホーキンスという小さな箱庭を舞台にした、少年少女のホラーアドベンチャーで始まったシリーズは、シーズン2では国の秘密研究が絡むことで、国…

スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム | ヒーローの空白を埋める虚構の話

www.spiderman-movie.jp 感想 ※ネタバレあり アクションあり、コメディあり、甘酸っぱい恋模様ありで単純におもしろい。 けれど、おもしろいだけで済まされないテーマ性も見え隠れ。 『アベンジャーズ:エンドゲーム』で、トニー・スタークやキャプテン・ア…

苦しかったときの話をしようか | 会社に尻尾を振ってはいけない

概要 「何をしたいのかわからない」「今の会社にずっといていいのか」と悩む人に贈るキャリア形成の考え方。 悩んだ分だけ、君はもっと高く飛べる! USJ復活の立役者が教える「自分をマーケティングする方法」。 苦しかったときの話をしようか ビジネスマンの…

日本人の勝算 | 唯一残された逃げ道

概要 人口減少と高齢化というターニングポイントに臨む日本。 そんなパラダイムシフトに打ち勝つ7つの生存戦略とは。 日本人の勝算: 人口減少×高齢化×資本主義作者: デービッドアトキンソン出版社/メーカー: 東洋経済新報社発売日: 2019/01/11メディア: 単行…

Think clearly | 52個もあればひとつくらいは当たるはず

概要 この複雑な世界を生き抜くために、私たちは何を指針にすればいいのだろう? 「よい人生」を送るための52の思考法を伝授する。 Think clearly 最新の学術研究から導いた、よりよい人生を送るための思考法作者: ロルフ・ドベリ,安原実津出版社/メーカー: …

ゴジラ キング・オブ・モンスターズ | 王の帰還

感想 何もいうことがない。 ゴジラそのもの。 『シン・ゴジラ』の後に、『アニゴジ』という破壊的な映画を観せられて、ゴジラとはなんなのかという問いに嵌まり込んでいた私は、この映画を観て、「これがゴジラ!」と納得し、「これぞゴジラ!」と興奮するの…

死にがいを求めて生きているの | このホラーのテーマは生きがいと多様性です

あらすじ 誰とも比べなくていい。 そんな優しい言葉を囁かれて育った平成の若者は、 生きがいを見出せず、死にがいを求めて生きている。 死にがいを求めて生きているの作者: 朝井リョウ出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2019/03/07メディア: 単行本この…

シー・ユー・イエスタデイ | 久しぶり!マイケル・J・フォックス

あらすじ タイムマシンを発明した二人の天才黒人ティーンエイジャー。少女の兄が白人警官に射殺され、二人は彼の命を救おうと時間を遡る。けれど、過去に戻るたび、二人は別の悲劇にあって——。 感想 あらすじでわかる通り、かなり定番のタイムトラベルもので…

Creative Selection | アップルの仕事の進め方

概略 長らくつまびらかにされていなかったアップルの製品開発のプロセスをSafari、iPhone、iPadなどの開発に携わった著者が告白する。 Creative Selection Apple 創造を生む力作者: ケン・コシエンダ,二木夢子出版社/メーカー: サンマーク出版発売日: 2019/0…

PIXAR 世界一のアニメーション企業の今まで語られなかったお金の話 | 夢だけで明日を生きることは難しい

概略 ジョブズが自腹で支えていた赤字時代のピクサーに財務担当として入社し、黒字体質への道筋を描き、IPO、そしてディズニーによる買収までつなげた著者の奮闘録。 世界一のアニメーション企業の今まで語られなかったお金の話" title="PIXAR 世界一のアニ…

ウエストワールド シーズン2 | 人工知能の思考に追いつけない

あらすじ 人間と瓜二つのアンドロイドが働くテーマパーク「ウエストワールド」。そこを訪れるゲストたちは、外の世界では隠さざるをえない嗜虐的な欲望をアンドロイドにぶつける。 身体を引き裂かれた末に殺されたアンドロイドも翌日には修理され、記憶をリ…

きみの世界に、青が鳴る | 理想と成長の物語

感想 ※ネタバレあり 5年近く続いた階段島シリーズも今作で最後。 きみの世界に、青が鳴る (新潮文庫nex)作者: 河野裕出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2019/04/26メディア: 文庫この商品を含むブログを見る 計6冊の文庫を順番に並べると、 1. いなくなれ、群…

NIKE ズームフライ フライニット | 初心者が高めのランニングシューズを買った結果

前置き 本や映画やドラマといったインドアなことが中心のこのブログですが、ちょっと感動したのでランニングシューズの話をしたい。 ランニングシューズを変えるだけで、キロ30秒もタイムが縮まるとは——。 www.nike.com 私のスペック 毎週走ることを習慣にし…

直感と論理をつなぐ思考法 | 想像力を磨くにはどうすればいいのだろう

概要 「論理に裏打ちされた戦略があってこそ、成功にたどりつける」 そんなかつてのビジネスの常識が変化の激しい現代で機能不全を起こしている。 一方で、現在のマーケットに強烈なインパクトを与えているのは、根拠のない直感や人には理解できないビジョン…

父が娘に語る 美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話。 | 経済を民主化する

感想 ラノベのように長いタイトルの経済書。タイトルだけではなく中身もラノベのように平易でわかりやすく、小説や映画を題材に、経済の誕生から借金の必要性、機械化の危険性を説く。 父が娘に語る 美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話…

プラットフォーム革命 | 新時代の幕開け

概略 世はまさにプラットフォーム時代と言わんばかりに、Google、Amazon、Facebookなどのプラットフォーマーたちのニュースを、テレビで見かけない日はない。 プラットフォームという言葉が当たり前のように交わされている状況だけれど、果たしてその本質を…

グリーンブック | とても無難なアカデミー賞作品賞

アカデミー賞作品賞受賞作ということで観てきました。 白人と黒人のコンビということで、『最強のふたり』を思い浮かべながら、 どれほどの感動作なのかとハードルを上げて観たのだけれど、とても無難な仕上がりで、語ることに困るなぁ……。 人種差別がテーマ…

人口減少でゾンビ化する制度

前置き 「このチェック項目って何のためにあるんでしょう?」 先日、業務に使用しているチェックシートについて相談された。 業務効率化の一環で、ムダな部分がないかを確認していたところ、その項目に気づいたという。 相談者が疑問に思うのも納得で、仕様…

天才を殺す凡人 | 反発されたら天才だと思おう

概略 世の中には「天才」と「秀才」と「凡人」がいる。三者の間にはコミュニケーションの断絶がある。 凡人は天才を理解できず、排斥する。 秀才は天才に憧憬と嫉妬心を持つが、天才は秀才にそもそも関心がない。 秀才は凡人を見下し、凡人は秀才を天才と勘…

スパイダーマン:スパイダーバース | アメコミを再現する映画

感想 先行上映で見てきました。 予告編で気になってはいたけれど、今までの3Dアニメーションとは毛色が違いすぎて、悪くいえばゲテモノかもしれないと、見送る方針でいたのですが、 アカデミー賞をはじめとして、名だたる長編アニメーション部門を総ナメにす…

ROMA / ローマ | 波の向こうに家族を見つける

感想 以下、ネタバレあり アカデミー賞の最有力候補に挙げられているアルフォンソ・キュアロン監督作品。 キュアロンといえば、原題とは意味が真逆になった『ゼロ・グラビティ(原題:Gravity)』といい、原型を留めていない『トゥモロー・ワールド(原題:C…

その日、朱音は空を飛んだ | 生きている人間には真実を曲げる権利がある

あらすじ ある日、学校の屋上から飛び降りた川崎朱音。 彼女の死が、進学校の日常を揺さぶる 自殺の原因は? 遺書はあったのか? ネットに流れる自殺の瞬間を撮ったのは誰? 彼女の死が歪んだ青春を照らし出す。 その日、朱音は空を飛んだ作者: 武田綾乃出版…

東京の子 | オリンピック後のディストピア

あらすじ オリンピックが終わった2023年の東京。減少する労働人口を補うべく、日本は多くの外国人労働者を受け入れていた。労働者に技能を身につけさせるベく、オリンピックの跡地に生まれた「理想の大学校」デュアルから、ベトナム人ファム・チ=リンが失踪…

データを誤魔化したくなったときに備えて読んでおきたい3冊

前置き 厚労省の統計調査の不正がニュースになっている。 でもこれは今に始まった話ではなくて、政府で始まった話でもなくて、最近続いている企業の不正と根っこは同じだと思う。 官民あげて、国全体がデータを誤魔化しに走っている。 そりゃ、自分に都合の…