SF映画術 | 巨匠たちの対談

「映画術」というより対談集。
ジェームズ・キャメロンがSF映画の重鎮6人とそれぞれ語り合う。
スピルバーグ、ルーカス、ノーラン、リドリー・スコット、デル・トロ、そしてシュワルツェネッガー。
こんな豪華メンバーとキャメロンの対談なんて今後ないのでは。

おもしろいのはSFの巨匠たちといえど、それぞれにSFヘのアプローチの仕方が異なっていること。当たり前だけど。
『ターミネーター2』の液体金属だったり、『アバター』の3D映画だったり、キャメロンはテクノロジードリブンで映画を撮っているイメージをぼくは持っていたのだけれど、どちらかというとテーマベースで映画を考えていたり。
ポジティブな映画のイメージの強いスピルバーグが、実は悲観的に現実を捉えていたり。
映画のデジタル化を推し進めたルーカスが、思考の部分では哲学や神話をベースにしていて二面性を感じたり。 ノーランは工学というより、理学の人。
リドリー・スコットはアーティスト寄り。
デル・トロはオタクのまま映画を撮り続けている感じ。

並べることで鮮明になる巨匠たちの違いを楽しみたいのなら、この本は良きものになるでしょう。 話題に上がる作品や監督が『SF映画のタイボグラフィとデザイン』と被っているので、読み比べてもいいかもしれない。

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SF映画のタイポグラフィとデザイン

SF映画のタイポグラフィとデザイン