MARVEL 倒産から逆転No.1となった映画会社の知られざる秘密 | 宇宙は狭い

今や映画の世界歴代興行収入のTOP10に3つの作品を送り込む、マーベルのお手軽な社史。
世界中に多くのファンがいるのだろうけど、私自身はMCUをすべて見ているわけではなく、要所要所をつまむだけのミーハーな人間なのでコアなファンとは言い難い。
キャラクターが多すぎて覚えきれないのです…。私の頭の中におさめるにはマーベルの大宇宙は大きすぎる。

当然、マーベルの歴史を振り返るこの本でも、膨大な数のキャラクターが出てくるわけですが、親切に脚注で説明してくれるのでありがたい。特徴を読みながら、そんなキャラもいたなとおぼろげに思い出す。

多種多様なキャラクターに比べて、マーベル史に登場する人間の数は少ない。
創業からMCUが始まるまではほぼスタン・リーの独壇場、MCUからはケビン・ファイフィの手腕。毎年複数本の映画を出しているにも関わらず、出てくるスタッフもどこかで聞いたことある名前が多いし。
それがMCUの影響力ということなのだろうけど、マーベル・スタジオに留まらず、ハリウッドは大きな産業に見えてけっこうな小宇宙で形成されているのだなと。

「倒産から逆転No.1となった映画会社の知られざる秘密」という副題だけれど、「お金よりファンを大事に」とか「欠点を持つヒーローが魅力的」という「公然の秘密」が多い。「秘密というのはみんなが知っていることじゃ」という白髭のおじいさんの声が聞こえてきそう。
ビジネス書というより、マーベルのファンブックかな。