- 作者:町田そのこ
- 発売日: 2020/04/21
- メディア: Kindle版
本屋大賞ノミネートということで、積読の山から引っ張り出す。
52ヘルツのクジラは、実際に存在している(と思われる)正体不明のクジラの個体。1980年代から鳴き声だけは観測されているが、クジラにしては高音で鳴くため、他のクジラに聞こえていないと考えられている。
仲間の誰にも届かない孤独な声で彼(もしくは彼女)は30年以上も鳴き続けている。
そんな52ヘルツのクジラのモチーフだけでつかみは十分。
話はテンポ良く、文体は軽く、夕方に読み始めても日付が変わる前に読み終わる。
この小説に限った話ではないけど、最近、「孤独」というと「性的マイノリティ」を話の中核やオチに持ってくる小説が多いなと。
象徴としてわかりやすいという理由なんだろうけど、過渡期な感じ。いずれ孤独の象徴でなくなって、オチにも使えないほど当たり前になるんだろうなと。
- 作者:町田そのこ
- 発売日: 2020/04/21
- メディア: Kindle版