『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』感想 | 今の世代のための子か、次の世代のための子か


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ゲゲゲの鬼太郎なんて90年代にやっていた第4期以来観ておらず、したがってコアなファンというわけではない。
けれど、目玉の親父がもともとは鬼太郎の父親の左目であることは知っていたし、20年前に観た母親の墓から鬼太郎の腕が生えてくるカットは覚えていて、なぜ両親ともどもそんなことにという謎は子ども心に感じていた。
そんな積年の疑問を解決するということで映画館へ。

何となく、自分の中のイメージの『鬼太郎』というよりも『コナン』を観ているような感じ。それは哭倉村で起こる騒動が『犬神家の一族』を連想させてそう感じさせるのかも知れないし、この20年の間に5期、6期とシリーズを重ねるうちに『鬼太郎』というコンテンツがそういう方向に舵を切ったのかもしれない。どのみち、この映画は『ゲゲゲの鬼太郎』ではなく、主人公は鬼太郎の父親と水木なのだから、サスペンス要素が多めでもいいのかもしれない。

年長者が若い世代を踏み台にして「最近の若いもんは」とうそぶく終盤の老害ムーブは現代に通じるところがある。似たような「血」を大事にする企業の話が最近話題になっているので、昔はそうだったけど今は違うよという感じでフィクションとして片付けられない。

鬼太郎の誕生はエンドロールで。
正直、鬼太郎誕生秘話だけを期待するなら物足りない感じがするけれど、本編がおもしろかったのでいいのではないでしょうか。