『ゴジラ -1.0』感想 | 永遠のゼロからゴジラへ、マイナスへ


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山崎貴が監督をする『ゴジラ』映画ということで前評判が高かったけれど、期待以上。

終戦直後の日本にゴジラが登場。映画を観るまで思い至っていなかったけれど、終戦直後ということは、ゴジラ映画でおなじみの自衛隊さえいない。いや、自衛隊がいたところでそれだけでゴジラを倒せたこともないのだけれど。
自衛隊どころか日本は武装解除の真っ最中で、戦争を生き延びた軍艦ですら、砲塔は取り外されて、ただの鉄の塊でしかない。
自衛のための武器すらない中で現れるゴジラが、銀座を蹂躙し、東京のど真ん中で熱線を吐き出してキノコ雲を打ち上げる姿はいつものテーマソングと相まって、これぞゴジラと言う感じ。

ゴジラに対抗するのは戦争を生き延びた復員兵たちで、主人公は特攻隊の生き残り。生きるために特攻から逃げたことを後悔しているのだけれど、このあたりの人間ドラマは『永遠の0』。

『シン・ゴジラ』の恐怖に『永遠の0』の人間ドラマなのだから、おもしろくないわけがない。

唯一、最後の典子(浜辺美波)の首筋にあった「あざ」が何を表しているのかつかみきれなかった。
放射能による後遺症か、G細胞かという2つを考えているけれど、放射能の後遺症だとしたら、黒い雨を浴びた敷島(神木隆之介)がなんともないのが不自然だし、そんな描写をラストに持ってくるのも違和感があるし、G細胞つながりなのだろう。どことなく浸食している感じもあったし。
仮にG細胞だとして、あれだけの爆風で生き延びたことへのエクスキューズという位置づけなのか、核でも役に立つことがあるといいたいのか。
続編への布石だとすると、典子が怪獣になるという可能性もあるのだけれど、それはやめてほしいな。人間が怪獣になるのはウルトラマン的な感じがするし、何より敷島と典子の物語はあそこで大団円となってほしい。