『ザ・クリエイター / 創造者』感想 | 80年代のパワフルなSFをもう一度


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この作品については完全にノーマークだったのですが、『グランツーリスモ』で流れた予告編のセリフ回しに皮肉が効いていて、おもしろそうだと思ったので。
タイトルからしてダサくB級映画風味を感じるし、予告編でチラリと見えた爆発シーンは往年の核映画を彷彿とさせて古くさいし、ハズレの可能性は高いと思って観に行ったのだけれど、結果は観て正解。

幕間のタイトルの唐突感と日本語フォントに衝撃を受け、不自然な日本語を見ている討ちに、そういえばもともとSFってスタイリッシュなものではなくて、こういうどこかダサくてどこか違和感があって、それでも未来があるものだったなと思い出す。
不自然な日本語は『ブレード・ランナー』譲りだし、ストーリーは守る対象が逆転しているとはいえ『ターミネーター』だし、幕間は『2001年宇宙の旅』にあった気がするし、あの80年代のパワフルなSFが帰ってきたような気がする。『2001年宇宙の旅』は60年代だけれど。

まるで昔のSFのリブートを見ているようだけれど、東南アジアの田園風景の中に溶け込むアンドロイドは新鮮。
西側諸国の宇宙兵器から伸びている光線は何かスキャンしているのかと思ったらプロジェクトマッピングよろしく照準器が成層圏から投影されているだけだった。ギャグなのだろうけど、AIを捨てた西側諸国と、AIと共存する東南アジアの技術力の対比だったりするのだろうか。
あとはどう見てもブラウン管なのにタッチパネルで操作できるようになっていたところが個人的なツボだった。

映画の中で直接的には表現されていない設定もいろいろとありそうで、そういった意味でも久しぶりに濃厚なSFを見たという感じで大満足の作品でした。

以下、鑑賞中に頭に浮かんだ作品たち。

ターミネーター(字幕版)

ターミネーター(字幕版)

  • アーノルド・シュワルツェネッガー
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第9地区 (字幕版)

第9地区 (字幕版)

  • シャルト・コプリー
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