多数決を疑う | 多数決を捨てるとき

感想 某国のリーダーの言動であったり、政治であったり、「なんでこんなことが?」と思うことが多い。そういう声が多数を占めたとき、政権交代や選挙が始まる。 けれど、国民から不評をかったリーダーたちも、もともとは選挙による「多数決」で選ばれた人た…

レディ・プレイヤー1 | 夢を持て。夢に溺れるな。

あらすじ 2045年。地球の人口の大半は仮想現実世界の<オアシス>に入り浸っていた。 <オアシス>では開発者であるジェームズ・ハリデーの遺志により、<オアシス>の所有権とハリデーの遺産を巡るゲームが開催されていた。主人公のウェイド・ワッツは勝者…

ロスト・イン・スペース | 人は変われる。ロボットだって——

あらすじ 2046年。ロビンソン一家は環境の悪化する地球を離れ、インターステラーの旅に出る。その途中、母船で事故が発生し、ロビンソン一家とその他の植民者たちは見知らぬ惑星に不時着する。 彼らは惑星から脱出することができるのか? 母船の事故の真相は…

地下鉄道 | 「自由」を求める我々はそれがどんなものであるかを知らない

あらすじ 舞台は19世紀、奴隷制度が根付くアメリカ南部。農園の奴隷であるコーラは、その劣悪な環境から逃亡することを決意する。農園を抜け出し、「地下鉄道」に乗って、奴隷制度のない北部を目指すコーラ。その先に待ち受ける「自由」とは。 地下鉄道作者:…

ティール組織 | 組織をもっとシンプルに

あらすじ 上下関係も、売上目標も、予算もない。 従来のアプローチの限界の限界を突破し、圧倒的な成果をあげる組織が世界中で現れている。膨大な事例研究から導かれた新たな手法の秘密とは。 (帯文より) ティール組織――マネジメントの常識を覆す次世代型…

八月十五日に吹く風 | 人の心を忘れたとき

あらすじ 人命を軽んじ易々と玉砕するという野蛮な日本人観が戦時中のアメリカでは広まっていた。そんな日本人観が覆る決め手となった北の最果てキスカ島での救出劇。五千人の兵員を助けた戦史に残る大規模撤退作戦を描く物語。 八月十五日に吹く風 (講談社…

ナミヤ雑貨店の奇蹟 | 相談するとき答えはすでに決まっている

あらすじ 悪事を働いた3人が逃げ込んだ古い家。そこはかつて悩み相談を請け負っていた雑貨店だった。廃業しているはずの店内に、悩み相談の手紙が届く。3人は戸惑いながらも当時の店主・浪矢雄治に代わって返事を書くが——。 ナミヤ雑貨店の奇蹟 (角川文庫)作…

羊と鋼の森 | 成長とは自分の「正しさ」を貫くこと

あらすじ 本屋大賞受賞作の文庫化。 高校生の時の偶然の出会いで調律に魅せられた外村は、念願の調律師として働き始める。ひたすら音と向き合い、人と向き合い、外村は調律の森へと深く分け入っていく。 羊と鋼の森 (文春文庫)作者: 宮下奈都出版社/メーカー…

これからの時代に文書を偽造するということ

ついに明るみに出た、森友関連の文書偽造問題。 NHKの街頭インタビューに答えていた70代男性の言葉が心に残っている。 「終戦直後は、証拠隠滅のために戦争の資料が各地で焼かれた。それと同じことをこの国はまだ続けているだなぁ」 失敗の本質―日本軍の組織…

夜空の呪いに色はない | 夜を経験せずに大人になれるのか

あらすじ 『階段島』シリーズ第五弾。 捨てられた人格が生活し、魔女が支配する「階段島」。その島にやってきた小学生の大地を現実に戻すべく、高校生の七草と真辺は奔走する。大地のような幼い少年が、自分の人格を捨てるなんてことがあってはならない、と…