ついに明るみに出た、森友関連の文書偽造問題。
NHKの街頭インタビューに答えていた70代男性の言葉が心に残っている。
「終戦直後は、証拠隠滅のために戦争の資料が各地で焼かれた。それと同じことをこの国はまだ続けているだなぁ」

- 作者: 戸部良一,寺本義也,鎌田伸一,杉之尾孝生,村井友秀,野中郁次郎
- 出版社/メーカー: 中央公論社
- 発売日: 1991/08/01
- メディア: 文庫
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今回の文書偽造について、街頭インタビューでは「民間だったら絶対にありえない」という声が多いような気がするけれど、本当にそうだろうかと。
去年から世間を騒がせている品質偽造問題はまさしく民間で起きたことだし、古くから行われている(最近はそうでもないかもしれないけれど)サービス残業なんて、身近な「偽造」の1つでしょう。
国を揺るがす大きな偽造か。企業や職場の範囲で済む小さな偽造か。
問題の大小はあるけれど、問題の根幹はお国だろうと民間だろうと同じ。
問題を覆い隠そうとして、文書やデータを作り変える。
これからの時代は、間違いなくAIの時代になる。
AIが大量のデータを読み込み、人間には考えが及ばない解を提示する時代。
実際、『データの見えざる手』の中では、人間には説明のつかない、けれど成果が上がる解をAIが示した事例がある訳で。
そんな効果的なAIを育てるためには、読み込ませるデータの正確性が重要なのは間違いない。けれどこの国は、都合の良し悪しでの書き換えをしてしまう。
いくらAIとはいえ、改竄された勤怠記録を基にして、効果的な人材配置ができるとは思えない。
間違いだらけのデータで動いているこの国が、これからのAIの時代で勝ち抜いていけるとはとても思えない。少なくとも周回遅れであることは覚悟しておいたほうがいいのでは。