ストレンジャー・シングス 3 | ソ連はモンスターも同然


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感想

アメリカの田舎町・ホーキンスという小さな箱庭を舞台にした、少年少女のホラーアドベンチャーで始まったシリーズは、シーズン2では国の秘密研究が絡むことで、国家の騒動にスケールアップ。
さらに今回のシーズン3では、冷戦中のソ連が絡み、ホーキンスという箱庭を大きく超えたレベルに騒動が発展する。

騒動のスケールが大きければ大きいほど良いのかといえば、物語にはそれに適したスケールというものがあるわけで、そのせいかこのシーズン3に関しては今までとトーンが違うような印象が……。

特に今までと違うのは人の命が軽いこと。
みんな割と簡単にモンスターの餌食になってしまう。今までのシーズンって餌食になるにしても、もうちょっとモンスターの皆さんは手間取っていませんでしたっけ。
まあそれも、モンスターが人間界に来るようになって3年あまり。その間に人間の特性を理解し、狩りを上達させてきたシリーズ最大の脅威と思えば大目に見ることができる。
いちばん面食らったのは、人が人を殺す描写が多いこと。特にアメリカの敵であり、今回ゲートを開いたソ連の兵士たちは、何の葛藤も描かれずに殺されていく。
まるで赤軍はモンスターも同然だとでもいうように。
冷戦中の1980年代はそういう雰囲気が当たり前だったのでしょうか……。

今までのシリーズと同様に、ストーリー展開はテンポがいい。
『ターミネーター』のようなソ連の殺し屋、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』、『ネバー・エンディング・ストーリー』などなど、1980年代のネタも健在で、おもしろくないわけではない。
けれど、どこかさらっとした印象で、シーズン1や2のような熱っぽさを感じられないのがちょっと残念。

続編の製作が正式発表されていないけれど、エンドクレジット後にソ連の収容所に「アメリカ人」とモンスターがいることが示されているから、何かしら作るつもりはあるのだろう。
ただ、こういう子役ものの宿命かな、シーズン1では子供だった主要人物たちが、大きく成長していて、もう彼らで続編を作るのは難しい気がする。
エンディング直前の「ホーキンス ここまで」という看板が暗示するように、別の街、別のキャラクターたちで話を続けるのだろうか。

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