ストレンジャー・シングス 未知の世界|既知のシーンで未知の世界を

『E.T.』『スタンド・バイ・ミー』『グーニーズ』。1980年代は、子どもが活躍する名作の宝庫。
そして『スター・ウォーズ』『ターミネーター』『バック・トゥ・ザ・フューチャー』『ブレードランナー』。今なお色褪せないSFが生まれたのもこの時代。 そんな1980年代を舞台にした子どもが主役のSFホラードラマがこの『ストレンジャー・シングス』。製作はNetflix。

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シーズン1は仲良し男子4人組の一人、ウィル・バイヤーズが失踪するところから始まる。残る3人はウィルを探すうち、不思議な力をもつ少女エルに出会う。彼女によれば、ウィルは“裏側の世界”に囚われたのだという。大人たちが手をこまねいているうち、失踪事件が続く。果たして子どもたちは“裏側の世界”を大人に納得させ、ウィルを救い出すことができるのか?
シーズン2では失踪事件から1年が経っている。“裏側の世界”を知る者はいるが、政府から口止めされ、なかったことにされている。そんな中、“裏側の世界”からの侵略が静かに始まる。果たして子どもたちは日常を守れるのか?

ビッグデータを解析して、視聴者が見たがっているものを製作しているというNetflix。だからというわけではないだろうが、『ストレンジャー・シングス』の展開は期待を裏切らない、王道のど真ん中を突っ走る。
見ていると既視感のあるシーンやガジェットが多くて、その元ネタになった映画やドラマを思い出すのも楽しい。
それでもただの懐古主義のとどまらないのは、展開がスピーディで飽きさせないから。1シーズン13話前後が多い海外ドラマの中で、『ストレンジャー・シングス』はシーズン1も2も10話に満たない話数で構成されている。その少ない話数にきちんと物語の浮き沈みや伏線が凝縮されているから飽きることがない。

『グーニーズ』にSF要素を足してドラマにしたような感じの作品。各話のラストのクリフハンガーがしっかりしているから、早く続きが観たくなる。こういう構成は映画ではできないドラマの利点なわけで、そういえば子どもが主役のドラマって今までなかったよなあと。同じだけど違うものをくれ、っていう要望に応えている。
かなりオススメです。

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