全裸監督 | 自由で醜いありのまま

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Netflixオリジナルドラマ。
“アダルトビデオの帝王”と呼ばれたAV監督を元にしたドラマ。
内容が内容な上に、山田孝之はパンツ一丁で怪しさ満点。
ゲテモノ扱いしていたけれど、いざ見始めてみると——。

フツーにおもしろい。
昼下がりに見初めて思わずイッキ見。
題材がAVであるどころか、映像がAVそのものというシーンがそこらじゅうにあるし、決して子どもに見せられるものではないけれど、そういう汚い部分もあってこその人間だろ? というテーマがすごく伝わってくる。
ピエール瀧の出演シーンを堂々とそのまま使っているのも、そのテーマの表れかと思うほど。
そのテーマがいちばんわかりやすいのは↓の宣伝動画。出演者が視聴者に注意を促す『13の理由』形式。

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何より構成が秀逸で、英語辞書を売る地味な営業マンである主人公が、やっと優秀な成績をおさめられるようになった途端、妻の不倫現場を目撃するところなんか、主人公を絶頂から奈落の底に落とせという脚本のお手本みたい。
「あんたでイッたことないのよ! 1回もね!」
なんて妻の言葉を聞いて、これ言われたらキツイなぁと思ったときには、主人公に感情移入している。
そりゃそんな言葉をかけられたら、地味な営業マンが伝説のAV監督の道を歩み始めてもおかしくはないですって……と何の論理性もないけど、妙な納得感が生まれる。

そこからは成り上がりのサクセスストーリー。ジェットコースターのようなスピード感で話が進む。

主人公とヒロインの黒木香が出会う5話以降は失速した感じがするけれど、前半が良すぎただけで十分おもしろい。
むしろ前半のスピードのまま突っ走っていたら、うまく着地できなかったのでは。

シーズン2も制作決定ということで続きが気になるけど、史実通りにいくと「帝王」となった後、会社の倒産があったりするから、憂鬱な内容になりそう。
オリジナルストーリーでいくのか、それとも突き抜けた演出で斜め上の結論に持っていくのか。Netflixの腕の見せどころ。

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