『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』 レビュー | 映像はきれいだけれども

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感想

あの『アバター』の続編。
圧倒的な映像美はさることながら、観客を青い肌のクリーチャーに感情移入させるというダイバーシティのお手本のような第1作。それが2009年の映画なのだから、ジェームス・キャメロンの手腕と洞察、恐るべし。
それから10年以上が経ち、3D映画は一般的になり、多様性が声高に叫ばれる中で送り出された続編『ウェイ・オブ・ウォーター』。
前作は映画館で見たきりになっていたので、事前に見直していったのだけれどよかったね。前作とのつながりはもちろん覚悟していたけれど、まさか悪役まで前作と同じとは思わなんだ。

前作は森が舞台だったけれども、今回は海が舞台。ほぼすべてCGだろうに違和感を感じない。いや、あまりに映像がきれいすぎて、水が透明過ぎるだろ、とか、海の生物の人口密度が高すぎない?とか、つまらないツッコミは思い浮かんだりするんですけれども。
水しぶきや火の粉のパーティクルもきれいで、10年前から流体のシミュレーション技術は格段に上がったのだなと実感する。

とはいえ、前作もそうだけれど、ストーリーはある程度予測がつくものであまり驚きはなく、ジェームズ・キャメロンの作り込まれた3Dの映像美に終始圧倒された徒労感が強い。まあ、これだけ一辺倒のストーリーでこれだけの疲労感なのだから、複雑なプロットにされたら私の頭が持たないかもしれませんが……。

いちばんの驚いたのは、主人公の娘(養子)であるキリ。
これだけ魅力的な表情や演技ができる子役すごいなと思って鑑賞後に調べたら、なんと演じているのは前作でグレース博士を演じているシガニー・ウィーバー(73歳)というではありませんか。あまりに衝撃的過ぎて、Wikipediaのリンク先が間違っているのかと思ってしまったよ。

キリの父親は誰なのか

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アバターシリーズはあと3作(合計で5作)作る予定だということで、本作で解き明かされなかった謎がちらほら。
そのなかでもいちばんの謎は前作で亡くなったグレース博士のアバターがいつの間にか妊娠していて、そこから生まれたキリの父親は誰なのかというもの。
聖書の処女受胎をモチーフにしているのなら、父親はいないという答えもあり得る。スピリチュアルな考え方を持っているナヴィの中でさえ特異と思われるような、植物や動物を自分の意思にそって動かす能力をキリは持っている。処女受胎でさらに神話的な意味を付加できるのでそれもアリな気がする。

SF的にはグレース博士のアバターのクローンというのもアリなのかな。精神が空っぽのアバターから生み出されるクローンが意思をもっているって何だか不思議な気もするけれど。
これなら、アバターとはいえ少女のキャラクターに前作で登場した70歳の女優を起用したということに意味が出てくる。そして私の驚きもムダではない気がする。

最後に

映像は文句なしできれい。
だけれどもきれい過ぎるせいなのか、3Dのせいなのか、はたまた3時間を超えるという作品の長さのせいか、見ていてすごい疲れたのも事実。
残り3作を映画館で観る体力があるのか、自信がない。
家でソファに寝っ転がりながら、適度に休憩を挟んで、ゆっくり観るのも手かもしれない。