アカデミー賞作品賞受賞作ということで観てきました。
白人と黒人のコンビということで、『最強のふたり』を思い浮かべながら、
どれほどの感動作なのかとハードルを上げて観たのだけれど、とても無難な仕上がりで、語ることに困るなぁ……。
人種差別がテーマだとして観るなら、もっと苛烈なものがあったのでは? と思うくらい描写が軽い。
イタリア系移民であり、マジョリティの中のマイノリティである主人公と、
黒人の中のインテリ、マイノリティの中のマイノリティである相棒の対比や孤独がテーマだとして観てもどこか物足りない。
あっと驚くような展開もなく、映画が終わった後に、主演がアラゴルンだと気づいたのがいちばんの驚き。
人ってここまで変われるんですね……。
音楽は良いし、マハーシャラ・アリのピアノの演技もすごいし、ところどころに散りばめた伏線を旅の途中で少しずつ回収していくプロットは丁寧だなぁと思ったけど、肝心の物語がサラっとしているから、無難だなあというのが感想。
アカデミー賞には悪いけれど、『最強のふたり』のほうがおもしろいと思います。