『信長の野望』シリーズをやったこともない人間が上杉謙信でプレイしたところ、予想外に苦労したのでその記録。
シナリオは「信長元服」。難易度は「初級」。初級でこんなに苦労するゲームだとは思っていなかった。
※この後プラチナトロフィーと取りました。
※パワーアップキットだったら上杉謙信で天下統一することができました。
上杉謙信のメリット
越後という不利な立地にありながら、関東にまで手を伸ばし、毘沙門信仰というミステリアスの雰囲気を持つ人気武将。ゲームプレイ的には攻撃力が高い。ただ、それだけ。
上杉謙信のデメリット
地政学的な不利
謙信個人というより、長尾家のデメリットなわけですが、南の方向は武田信玄と北条に押さえられています。特に北条のほうは謙信に対して好戦的で、小勢力を滅ぼして謙信と国境を接したが最後、十万規模の兵力を送ってくるのでこちらは防戦さえままならない。
武田信玄のほうは上洛するためか富山と石川のほうの攻略に忙しいようで、虎の尾を踏まなければ問題なし。しかし、謙信が西に進出しようとすると、信玄の進軍方向と一致するので、西進は難しい。
ならば北進かとなりますが、北はすぐに同盟相手である伊達の領地に辿り着くので、伸びしろは多くない。武田と北条に加えて、伊達まで敵にするのは避けたい。仮に伊達を攻めたとしても北条に脇腹をつかれるような形になり、最大領地である春日山城とドル箱の佐渡を失うことになって苦しい立場に置かれることが予想できます。
有力武将が少ない
新潟では杉と男は育たないとよく言いますが、それは戦国時代でも同じなようで、有力武将がほぼいません。ほんと謙信は飛び抜けていたのだなといった印象。
本作は人材マネジメントゲームなので、有力な武将がいないというのはかなり不利です。
寿命と子孫
史実通りの寿命でプレイしていると、ゲーム開始から30年くらいで謙信は退場します。自分の場合は関東を制圧して東海を進んでいるあたりでタイムリミットを迎えたので、謙信一代で天下統一は無理といった感触。となると後継者が必要なわけですが、謙信は男色や女性説もあるくらい禁欲的なお方なので、子孫がいません。上で言った通り有力な武将がいない土地なので、親戚は良くて中の上といった能力値。
今作は大名が出陣したときにできる「合戦」が攻略の上で有効なので、大名の後継に有力な人物がいないというのもかなりデメリット。
全国統一までにしたこと
攻められる前に北条を攻める
北の伊達は友好的、武田は京に向かうので忙しい、こちらに全力で攻め込んでくるのは北条のみということで、まずは北条の収める関東を攻略することが第一優先です。関東は城も武将も多いので、攻略できればリソース難も人材難も解消できます。
仕様なのかバグなのか、数百人でも先に出陣させておけば相手がこちらに攻め込んでくることはないので、それで稼ぎをしました。あまりに不自然な動きなので、アプデで対策されるのではなんて言われていますが、これがなかったら私は越後山脈を越えることすらできませんでした。
合戦で威風を発動
出陣したらひたすら威風狙い。
威風(中)以上であれば、攻城戦無しに城を1つ以上確保できる。仮に奪い取ったあと、すぐに取り返されたとしてもプラスマイナスゼロなので問題なし。城を2つ以上確保できることも多いので、むしろプラスです。
野戦に強い上杉謙信を最大限に活かすための戦略でもあります。
城下方針はひたすら「進軍」
謙信の守備範囲の広さが攻略のカギとなってくるので城下方針はひたすら「進軍」にしました。なけなしの有力武将の守備範囲もこれで広がります。
ひたすら前線に移動する謙信
「進軍」で守備範囲を広げるとはいえ、さすがに春日山城から関東ひいては日本全国に出陣するのは無理なので、ひたすら全然に本拠を移動させました。謙信はプレイイングマネージャーとしてこそ輝きます。
東北は伊達にお任せ
背後から刺されるようなことにならないように伊達との同盟は続けて、東北は伊達に任せます。婚姻しておけば外交に煩わされることもなく楽です。
伊達が東北を統一したところで、土地が限られているのでその規模はたかが知れています。こちらは西へ進み、どう考えても伊達が敵うわけがない規模になったところで、伊達を取り込みにかかればいいのです。
真田と婚姻して子孫を確保
北条を倒したあと、東海の徳川を攻略しているあたりで謙信が咳き込み始めました。史実通りであれば1578年に謙信は寿命を迎えます。後継候補を見渡しても、有力な武将はいない。そこで配下の武将を見ると、真田昌幸がいたので婚姻を結んで滑り込みで後継者としました。
昌幸の息子である幸村が元服したら、即座に隠居して幸村に大名の座を譲ります。これで30年は安泰です。
有力武将を適材適所に配置
自勢力が地方を統一するくらいの規模になってくると管理が面倒になってくるのですが、ここで人材の最適化を怠ったために詰みそうになりました。統治範囲外になったからといって安易に軍団を作るとまったく敵勢力に攻め込んでくれなくなりますし、身分が高いからといって能力値の低い武将に兵力1万超えの城を任せても、戦で溶けていってしまいます。
めんどくさいけれど、人材の適材適所に気を使わないと先に進めませんでした。軍団が動かないときは解散して、手動でゴリ押しで。
九州攻めは四国攻略のあと
本州から九州を攻めようとしても、入口が関門海峡しかないので兵力差があってもなかなか上陸が難しかったです。四国を攻略しておけば入口が3つになるので、あとは兵力のゴリ押しでなんとかなります。
あとは時間との勝負
1600年を越えたあたりからバタバタと武将が寿命を迎えていきます。
武将が寿命を迎えていくのは敵も同じですが、有力武将がいなくなり、能力値が50というのが当たり前といった状況をみるのはなかなかにつらいものがあります。
数百人いた武将が多いときでは年に数十人いなくなるので、最後のほうは100人ほどに。タイムリミットを感じながらのクリアとなりました。
『信長の野望 新生』から学んだこと
ゲームとしておもしろかったのはもちろんですが、色々と勉強になったので以下まとめ。いやまあ、思いつきで1万円近いゲームを買って、数十時間費やしたので、何か学びがあったと言い訳しておかないとやっていられないので…。
目標の明確化
標的を明確にしておかないと死に直結します。全方位作戦は脇をつかれて立ち行かなくなるのでナンセンス。攻略目標を決めたら、相手が反撃できなくなるまでやり尽くすというのが戦略として重要なのだと身に沁みました。
あれもこれもと身の丈に合わない全方位的な戦略をとっている企業の株は買いたくない。
人材の適材適所に配置するマネジメント
人材管理は地味でコストのかかる行為ですが、これを怠ると組織の成長が止まってしまうことも身に沁みます。後継者の育成もそう。なんかやらしておけば勝手に育つ方式の組織が立ち行かなくなるのが理解できることでしょう。