ターミネーター:ニュー・フェイト | マリアからジャンヌへ

ターミネーター:ニュー・フェイト (字幕版)

ターミネーターシリーズ最新作は、『2』の完璧なまでの焼き直し。

冒頭、若きジョン・コナーがT800に殺され、おっと思わされるところはあるものの、未来からやってきたロボットの刺客と、人類の未来のリーダーの逃亡劇という話は変わらない。
ジョン・コナーの抹殺に成功してもなお、新たなリーダーを殺すべくターミネーターを送り続けなければならないロボット陣営。『3』の「運命は変えられない」というジョンの葛藤を、彼らもひしひしと感じているに違いない。

30年近くの時を経てターミネーターシリーズに帰ってきたジェームズ・キャメロンは、なぜ『2』の焼き直しをしなければならなかったのか。
しかも、『ジェニシス』で大ゴケした直後、『3』『4』もなかったことにした上で、『2』の「正当な続編」という錦を掲げて。

ターミネーター3 (字幕版)

ターミネーター3 (字幕版)

  • アーノルド・シュワルツェネッガー
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『2』と『ニュー・フェイト』で大きく変化したのは女性像。
『2』の時点で守られるだけのヒロインではない強い女を体現していたサラ・コナー。
けれど、そこで描かれていたのは子を守る母親としての強さだった。
彼女が時代のリーダーとなることはなく、あくまで主役は息子のジョン・コナー。『ニュー・フェイト』で彼女が言うように、聖母マリアにはなれても、キリストにはなれない。 しかしこれからは女性がリーダーになる時代。
ジョン・コナー亡き後、レジスタンスのリーダーとして女性が登場するこの焼き直しにはそんな意味を感じる。
強化人間のグレースが金の短髪で、どことなくミラ・ジョボビッチの『ジャンヌ・ダルク』に見えるのは気のせいだろうか。マリアの母性や強さだけでなく、リーダーシップも望まれるジャンヌ。

ジャンヌ・ダルク(字幕版)

ジャンヌ・ダルク(字幕版)

  • ミラ・ジョヴォヴィッチ
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興行収入は『ジェニシス』に及ばないようだけれど、『ジェニシス』よりははるかにこっちのほうがいい。
なんと言っても『2』の焼き直しなのだから。『2』のお墨付き。

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