感想
何もいうことがない。
ゴジラそのもの。
『シン・ゴジラ』の後に、『アニゴジ』という破壊的な映画を観せられて、ゴジラとはなんなのかという問いに嵌まり込んでいた私は、この映画を観て、「これがゴジラ!」と納得し、「これぞゴジラ!」と興奮するのでした。
だって、モスラがちゃんと登場するんだよ?(アニゴジは鱗粉だけ)
だって、キングギドラに胴体がちゃんとあるんだよ?(アニゴジは首だけ)
ストーリーはツッコミどころ満載だけれど、そんなことはどうでもいい。
これは怪獣映画なんだ。人間ドラマなんてどうだっていいじゃないか。
何よりこれまでのゴジラシリーズへのオマージュが詰まっているのが嬉しい。
感想としては最高!というしかないので、そのオマージュを思い出せる限り書いていこう。
オマージュ
小美人
モスラ羽化の際に、研究員役のチャン・ツィイーが洋上の飛行機から中国へ、そしてまた飛行機へと瞬間移動をする。双子なんですとさらりと紹介されはするけれど、小美人を知っていないと混乱しそう。
オキシジェン・デストロイヤー
ゴジラを抹殺できた唯一といってもいい兵器。
その割に本作ではさらりと登場。周囲の酸素を破壊し、生物を死滅させるという核兵器級の威力を持つ兵器を、本作の米軍は何のためらいもなく使用する。しかもミサイルを撃ったことは事後報告。
あと10秒で着弾するぞ! 気をつけろ!
芹沢博士の最期
初代ゴジラの芹沢博士が、その命と引き換えにゴジラの元にオキシジェン・デストロイヤーを運んだシーンのオマージュ。
ゴジラを殺すための弾頭を運んだ芹沢博士が、今作ではゴジラを復活させるための弾頭を運ぶ。
潜水服を着るところも同じ。そもそも本作ではエアポケットまで潜水艇で行くのだから、渡辺謙演じる芹沢博士が潜水服を着る必要はあったのだろうか。それとも潜水服じゃなく放射線防護服?
バーニングゴジラ
核弾頭を使った芹沢博士の喝で気合いが入りすぎてしまったゴジラは、最終決戦で時限爆弾と化す。これは『ゴジラvsデストロイア』の設定のオマージュ。
日本版が1時間半かけて消化した設定を、20分で消費してしまうのだから何とも贅沢。
次回作
『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』は2014年版の『ゴジラ』から続くモンスターバースシリーズの3作目。2作目は『キングコング 髑髏島の巨神』。
シリーズ4作目は『ゴジラvsキングコング』で製作を開始しているとのこと。
今作でキングギドラの首が1つ残っているから、5作目ではメカキングギドラを登場させるつもりなのだろうか。そうなるとメカゴジラの登場の可能性も……。
2014年版のゴジラは酷評されてきたけど、今作でシリーズの流れが変わりそう。
一気におもしろくなってきた。