先日遠出したときに見かけた「勾配あり」の標識。「Xパーセントの勾配って何度なんだ?」と思ってしまったのでメモ。
勾配のパーセント表示とは
進んだ水平距離に対して、何メートル上昇するか(or 下降するか)を示す。
100メートル進んで5メートル上昇するのであれば、勾配は5%である。
馴染みのある角度表示ではなく、パーセント表示を標識に用いることは法律で決められているらしい。学校教育で習うのは角度とはいえ、「100メートル歩いたら、5メートル上がるんですよ」と言われたほうが感覚的にわかりやすい気がする。厳密に言えば「水平距離に100メートル進んだら」であって、坂道を100メートル歩いたら水平距離にどれだけ動いているかなんてわかりませんよという気もするが、そこは微小角度と仮定して、水平距離≒斜面距離と考えるのがいいのだろう。
パーセントから度への換算
上のように勾配のパーセント表示(xとする)は水平距離と垂直距離の比であるから、これはつまり三角関数のタンジェントである。
それに相当する角度はアークタンジェントで求められる。
Excelであれば
= ATAN(x)
と打ち込めばよい。
ただし、Excelはラジアンで答えを吐き出すので慣れ親しんだ度で表示するには、
= DEGREES(ATAN(x))
とする必要がある。
勾配5%とは何度なのか?
勾配5%あたりから標識を見かける気がするのでこれを度に換算してみる。
パーセントなのでx=0.05として上の式に当てはめる。
=DEGREES(ATAN(0.05))
すると結果は約2.9度となる。
標識で注意を促すぐらいなのだから大きな勾配ということなのだろが、角度にしてみるとそうでもない。
日本一の急勾配を角度に換算すると?
日本一の勾配標識は37%だそうなので、これを角度に換算してみる。
=DEGREES(ATAN(0.37))
結果は20.3度となる。
以下のサイトに現地の写真が掲載されていてかなりの急角度であることが実感できる。
30度とは何%なのか?
日本一の急勾配でも物理の問題でよくみかける30度に届かなかったので、30度をパーセントに換算してみる。
EXCELで行うならまずは度をラジアンに換算。
= RADIANS(30)
これのタンジェントを求める。
= TAN(TADIANS(30))
すると0.58=58%という答えが返ってくる。
まとめ
最後に、ここまで出てきた勾配を並べてみる。
物理の問題でよく出てくる30度は現実を越えている。
ちなみに45度はパーセントにすると100%である。