スパイダーマン:スパイダーバース | アメコミを再現する映画

スポンサーリンク

感想

f:id:subtleblog:20190303173715j:plain

先行上映で見てきました。

予告編で気になってはいたけれど、今までの3Dアニメーションとは毛色が違いすぎて、悪くいえばゲテモノかもしれないと、見送る方針でいたのですが、
アカデミー賞をはじめとして、名だたる長編アニメーション部門を総ナメにするわ、ネットのレーティングも高いわで、結局気になって見てしまいました。

これはとんでもない映画。
今までとは違ったジャンルを開いていきそう。

ピクサーと日本アニメ

アニメーション映画がピクサーの独壇場になって久しいけれど、ピクサーの方向性と日本のアニメでは、進むベクトルが違っていた。

ピクサーはもともとレンダリングソフトの開発会社ということもあって、いかに現実を再現するかというところに重点を置いてきた。
『トイ・ストーリー』では人間の動作を再現し、『モンスターズ・インク』では毛むくじゃらのモンスターを登場させて、毛並みを再現度示した。『アナと雪の女王』では雪の動きをシミュレーションして論文まで出している。

一方で日本のアニメといえば、現実を再現するというよりも、いかにおもしろおかしく、美しくかっこよく、抽象的に表現するかが勝負だった。
現実をそのまま再現するだけではつまらない。
デフォルメされた漫画のような空想の世界が動けばそれがいちばんおもしろい。

ピクサー流 創造するちから――小さな可能性から、大きな価値を生み出す方法

ピクサー流 創造するちから――小さな可能性から、大きな価値を生み出す方法

スパイダーバース

この『スパイダーバース』はどうなのかといえば、ピクサーアニメーションよりも、日本のアニメに近い。
ピクサーのように現実を再現するのではなく、アメコミを動画にすることにひたすら徹している。
トゥーンシェーダリングを手始めに、アメコミ風の四角い吹き出しや擬音語が画面いっぱいに現れる。それが異質な近寄り難さを出しているのだけれど、アニメらしく緩急をつけてデフォルメされたアクションシーンはわかりやすくかっこいい。

こういうデフォルメは日本のアニメが得意なはずで、この映画の中に手塚治虫のヒョウタンツギや攻殻機動隊のタチコマを彷彿とさせるキャラクターが登場するのは決して偶然ではないと思う。

【ヒョウタンツギ】 バンク・ヒョウタンツギ

【ヒョウタンツギ】 バンク・ヒョウタンツギ

スパイダーマン映画として見ても、数ある関連作品へのオマージュが多すぎるくらいに溢れているし、ファンには納得ではなかろうか。

まとめ

間違いなく新しいことをやっていて、これなら長編アニメの名だたる賞を総ナメにするのも頷ける。
ストーリーは今までのスパイダーマンを見たことがないと楽しみが半減しそうな気がするので、少なくともサム・ライミ版を予習しておくことをおすすめします。