概要
Google、Apple、Facebook、Amazon——。
彼らはどのように力を得て、世界を創り変えたのか。
彼らが創り変えた世界で、我々はどう生きるべきか。
この激変を予言した著者が、次の10年を支配するルールを提示する。
- 作者: スコット・ギャロウェイ
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2018/07/27
- メディア: 単行本
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感想
Google、Apple、Facebook、Amazon——。
4つの会社の頭文字をとって、GAFA。
この4社をデジタル時代の騎手として賞賛する一方で、4社への資本とデータの集中を、批判、危険視する声がある。
それはさながら、ビッグ・ブラザーの存在が現実のものとなったことを憂えているようである。
この本はどちらかといえば後者の立場。
サブタイトルにある「四騎士」とはヨハネの黙示録に登場する騎士を指す。彼らはそれぞれ地上の4分の1を支配し、戦争、飢饉、疫病、獣によって、地上の人間を殺す権威を与えられている。
さすがに「地上の人間を殺す」力は与えられていないけれど、GAFAに資本やデータといった権力が集中し、台頭する勢力が見当たらない今の状況は、災厄に繋がりかねないと警鐘を鳴らす。
彼らはデジタルの力を使って、大企業を出し抜き、新たな時代を切り開いた。
志と能力のある人間が集まれば、それがたとえ少数であっても、肥大化した巨大企業にも勝つことができるというサクセスストーリーを証明した。
けれどそれは逆に、少数のエリートに富が集まるという構図ができたということでもある。大企業に雇われていたような中流階級は姿を消し、貧富の差は広がっていく。
現在は超優秀な人間にとっては最高の時代だ。しかし平凡な人間にとっては最悪である。 p360
いまほど億万長者になるのは簡単だが、百万長者になるのが難しい時代はかつてなかった。 p414
四騎士の登場で生まれたのはそんな世界だ。
四騎士は誰もが幸福に暮らせるユートピアを説くが、現実の世界は弱肉強食の傾向が強まっている。
四騎士を利用し、ゆくゆくは彼らを超えた存在となること。
それが彼らが創り上げた新しい世界で生き抜く方法である。
そのために、まずは彼らのことを知らなければならない。この本はその一助となる。
- 作者: スコット・ギャロウェイ
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2018/07/27
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