漫画 君たちはどう生きるか | 忘れがちな大切なこと

漫画 君たちはどう生きるか

漫画 君たちはどう生きるか

去年の秋くらいから書店に並んでいるのは見ていたけれど、宮崎駿の新作のタイトルとして発表されるまで全くのノーマーク。
原作は戦前の本だから、古臭い内容なのかと思いきや、そんなことはない。不思議なくらい、現代でもすっと染み込む。
社会に生きる上で、大切な心得を示す内容で、特に自分にとって目から鱗だったのは次の二点。

  1. つらい、苦しいと思ったときこそ、正解が見えている
  2. 消費をするためには生産が必要

つらい、苦しいと思ったときこそ、正解が見えている

主人公のコペル君は、友達との約束を破ったことで、「死んでしまいたい」と思うほど自分を責めるのですが、叔父さんはそれを、コペル君があるべき姿をわかっているからだと説く。
理想がなければ、そこにたどり着けないことで苦しむことはないわけで。つらい、苦しいと感じるときこそ、自分が理想に近づくためのチャンスであって、その葛藤を解決するために、どう行動するかが、その人を形づくる。 逃げるのか、正面から立ち向かうのか、それとも誰も考えつかない解決策を見つけるのか。
つらい、苦しいと思ったときこそ、理想の自分の近づくチャンスであるということは心に刻んでおきたい話。

消費をするためには生産が必要

私たちが生活をしたり、余暇に趣味を楽しんだりできるのは、それを生産している人たちがいるから。食べ物やエンターテイメントを消費するだけで、生産する人がいなくなってしまったら、どうなるだろうか。途端にそれらは枯渇して、人間の文化はなくなってしまうことだろう。 当たり前のことだけれど、生産のことより先に消費のことを考えてしまうことがなかなかに多い。仕事で何をするかよりも、給料を何に使うのかという話の方が先にくる。メディアも政治も何を創造するかということよりも、何に金を使うか広告することに忙しい。
ゆとり教育ど真ん中で育った自分は、何のゲームに時間を使おうかと考えることが多かった。本来なら、何かを創造することに使うべき時間なのにも関わらず。
だいぶ時間を無駄にした感じはするけれど、何か価値を生み出すことを目的にしていきたい。

まとめ

とまあ、印象に残った二つの項目を上げたけれど、その他にも社会で生きる上での指針にしたいことは多数ある。70年前の本だけれど、今でもその内容に古さがないということは、それだけ本質を突いているということなのだろう。
そんな本が、今になってまた売れているということは、それだけ私たちが本質を忘れていたということの裏返しでもあるわけで。
忘れないように本棚に置いておきたい一冊。小説版でも漫画版でも内容は同じようなのでどちらでもどうぞ。

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