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繁栄のパラドクス | 文化を理解せずに成功はない

アフリカでは慈善事業や寄付で造られた無料の井戸が放置され次々と涸れていく一方で、有料の携帯電話は普及している。なぜか。 繁栄のパラドクス 絶望を希望に変えるイノベーションの経済学 (ハーパーコリンズ・ノンフィクション)作者:クレイトン・M クリス…

ターミネーター:ニュー・フェイト | マリアからジャンヌへ

ターミネーターシリーズ最新作は、『2』の完璧なまでの焼き直し。 冒頭、若きジョン・コナーがT800に殺され、おっと思わされるところはあるものの、未来からやってきたロボットの刺客と、人類の未来のリーダーの逃亡劇という話は変わらない。 ジョン・コナー…

死に山 | 初動が大事

概要 1959年。ソ連のウラル山脈での不気味な遭難事故。 氷点下の中にも関わらず、犠牲者は衣服をろくに着けておらず、全員が靴を履いていない。 三人は頭蓋骨折などの重傷、女性メンバーの一人は舌を喪失。 遺体の着衣からは異常な濃度の放射線が検出された…

シーソーモンスター | 人は争いの中で理解し進歩する

感想 バブルの只中、東西冷戦下の時代における嫁姑問題を題材にした『シーソーモンスター』と、2050年の日本を舞台にした逃走劇を描く『スピンモンスター』の中編2つ。 シーソーモンスター (単行本)作者: 伊坂幸太郎出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 20…

ストレンジャー・シングス 3 | ソ連はモンスターも同然

www.youtube.com 感想 アメリカの田舎町・ホーキンスという小さな箱庭を舞台にした、少年少女のホラーアドベンチャーで始まったシリーズは、シーズン2では国の秘密研究が絡むことで、国家の騒動にスケールアップ。 さらに今回のシーズン3では、冷戦中のソ連…

日本人の勝算 | 唯一残された逃げ道

概要 人口減少と高齢化というターニングポイントに臨む日本。 そんなパラダイムシフトに打ち勝つ7つの生存戦略とは。 日本人の勝算: 人口減少×高齢化×資本主義作者: デービッドアトキンソン出版社/メーカー: 東洋経済新報社発売日: 2019/01/11メディア: 単行…

Think clearly | 52個もあればひとつくらいは当たるはず

概要 この複雑な世界を生き抜くために、私たちは何を指針にすればいいのだろう? 「よい人生」を送るための52の思考法を伝授する。 Think clearly 最新の学術研究から導いた、よりよい人生を送るための思考法作者: ロルフ・ドベリ,安原実津出版社/メーカー: …

ウエストワールド シーズン2 | 人工知能の思考に追いつけない

あらすじ 人間と瓜二つのアンドロイドが働くテーマパーク「ウエストワールド」。そこを訪れるゲストたちは、外の世界では隠さざるをえない嗜虐的な欲望をアンドロイドにぶつける。 身体を引き裂かれた末に殺されたアンドロイドも翌日には修理され、記憶をリ…

グリーンブック | とても無難なアカデミー賞作品賞

アカデミー賞作品賞受賞作ということで観てきました。 白人と黒人のコンビということで、『最強のふたり』を思い浮かべながら、 どれほどの感動作なのかとハードルを上げて観たのだけれど、とても無難な仕上がりで、語ることに困るなぁ……。 人種差別がテーマ…

天才を殺す凡人 | 反発されたら天才だと思おう

概略 世の中には「天才」と「秀才」と「凡人」がいる。三者の間にはコミュニケーションの断絶がある。 凡人は天才を理解できず、排斥する。 秀才は天才に憧憬と嫉妬心を持つが、天才は秀才にそもそも関心がない。 秀才は凡人を見下し、凡人は秀才を天才と勘…

ROMA / ローマ | 波の向こうに家族を見つける

感想 以下、ネタバレあり アカデミー賞の最有力候補に挙げられているアルフォンソ・キュアロン監督作品。 www.youtube.com キュアロンといえば、原題とは意味が真逆になった『ゼロ・グラビティ(原題:Gravity)』といい、原型を留めていない『トゥモロー・…

東京の子 | オリンピック後のディストピア

あらすじ オリンピックが終わった2023年の東京。減少する労働人口を補うべく、日本は多くの外国人労働者を受け入れていた。労働者に技能を身につけさせるベく、オリンピックの跡地に生まれた「理想の大学校」デュアルから、ベトナム人ファム・チ=リンが失踪…

かがみの孤城 | 思春期のモヤモヤを文章に

あらすじ ある出来事がきっかけで学校に行けなくなった中学一年生のこころ。毎日を家で過ごす彼女の前で、ある日突然、鏡が輝き出す。鏡をくぐった先には城があり、こころの他に中学生が六人集められていた。現実から隔てられた世界で、七人の中学生は心を通…

知ってるつもり 無知の科学 | 知ったかぶりは人類の性質

感想 「無知の知」を述べたのはソクラテス。 誰もが聞いたことのある有名な言い回しだけれど、 無知の知がなぜ重要なのか、 逆に、無知の無知がどうして起こるのか、 知っている人はいないのではないか。 この本は認知科学の視点で、その疑問に答える。 知っ…

一人の力で日経平均を動かせる男の投資哲学 | 伝説のトレーダーは意外と庶民的

「日経平均を動かせる男」という2つ名がかっこいい。 cisという3桁億単位の資産を持つ個人トレーダーがいることは知っていたけれど、その手法がどのようなものなのかは謎だった(ツイッターを覗いても「リネージュ2」の話題が大半で……)。 そんな生ける伝説…

NEW POWER これからの世界の「新しい世界」を手に入れろ | 新しい諸刃の剣

今の世界は、これまでの世界とは異なる力学で動いている。 ブレグジットもトランプ大統領の誕生も、従来の手法では全く予想ができなかった。 ISISの活動があれほど大規模なものになるとは誰も思わなかったし、アラブの春も、フランスの暴動も、ハリウッドの…

シュガーラッシュ オンライン | Wi-Fiを抜けると、そこはディズニーだった

『シュガー・ラッシュ』、6年ぶりの続編。 www.disney.co.jp 悪役の悲哀と孤独なヒロイン、そして何より、懐かしのゲームキャラクターが魅力的なストーリーラインに絡んでくることで、なかなかに楽しい映画に仕上がっていた『シュガー・ラッシュ』。 舞台設…

やはり俺の青春ラブコメは間違っている。13 | ダークヒーローにハッピーエンドはあるか

あらすじ 保護者の意見によって自粛に追い込まれたプロムナード。 開催しようと修正案を練る雪ノ下雪乃だが、限界がある。 その姿を見て比企ヶ谷八幡は手を差し伸べようとするが、陽乃に指摘された「共依存」という言葉に縛られ、今までのようには雪乃を助け…

ハロー・ワールド|こんにちは、数年後の世界

あらすじ エンジニアの文椎<ふづい>は専門を持たない「何でも屋」。ささやかなITテクニックと仕事仲間と正義感を武器に、文椎がインターネットの自由を求めて立ち上がる短編集。 【Amazon.co.jp限定】ハロー・ワールド(特典: オリジナルショートストーリー…

マーケティングとは「組織革命」である | USJも最初はダメな組織だった

概要 なぜ、日本企業は非効率なのか? なぜ、あなたの提案が通らないのか? そこにはマーケティングの視点が抜けていた。 USJを再生した著者の実践に基づく組織論。 マーケティングとは「組織革命」である。 個人も会社も劇的に成長する森岡メソッド作者: 森…

暗幕のゲルニカ | 暗幕に覆われた悲惨さ

あらすじ 国連本部。「テロとの戦い」と称して、イラク攻撃を宣言する米国務長官。 普段、「ゲルニカ」のタペストリーが飾られているはずのその背後には、それを隠すように暗幕がかけられていた。 世紀の画家、ピカソはその衝撃作にどんなメッセージを託した…

ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー | 萎みゆく大宇宙

あらすじ 銀河を駆ける伝説の運び屋ハン・ソロと、その相棒のチューバッカ、悪友ランド・カルリジアン、愛機ミレニアム・ファルコン号の出会いを描くアナザー・ストーリー。 ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー オリジナル・サウンドトラックアーティ…

ニューエリート | オールドエリートな日本へ

内容 「楽しんで仕事した者勝ち」の世界がやってくる。今の生き方をいつまで続ける気ですか? ニューエリート グーグル流・新しい価値を生み出し世界を変える人たち作者: ピョートル・フェリクス・グジバチ出版社/メーカー: 大和書房発売日: 2018/02/23メデ…

13の理由 | このドラマの目的は視聴者を楽しませないこと

あらすじ ティーン・エイジャーのクレイ・ジェンセンの元に届いた7本のカセットテープ。そこには、2週間前に自殺した同級生、ハンナ・ベイカーの声が吹き込まれていた。ハンナは自らの声で、自殺をすることになった13の理由を語る。 13の理由 (シーズン2/サ…

火星に住むつもりかい? | 正義と平和は危ない言葉

あらすじ 「平和警察」によって取り締まれられる仙台。平和警察の管理下では、住人の監視と密告によって「危険人物」と見なされた者は、衆人環視の中で処刑される。そんな不条理渦巻く世界で窮地に陥った人々を救うのは「正義の味方」、ただ一人。平和警察と…

ブレイン・プログラミング | 成功したけりゃ手書きしろ

感想 この本から受けたメッセージは大きく分けて次の2つ。 成功したければ手書きすること 自分でコントロールできる範囲を明確にして、そのなかでの責任はすべて負うこと 自動的に夢がかなっていく ブレイン・プログラミング作者: アラン・ピーズ,バーバラ・…

多数決を疑う | 多数決を捨てるとき

感想 某国のリーダーの言動であったり、政治であったり、「なんでこんなことが?」と思うことが多い。そういう声が多数を占めたとき、政権交代や選挙が始まる。 けれど、国民から不評をかったリーダーたちも、もともとは選挙による「多数決」で選ばれた人た…

地下鉄道 | 「自由」を求める我々はそれがどんなものであるかを知らない

あらすじ 舞台は19世紀、奴隷制度が根付くアメリカ南部。農園の奴隷であるコーラは、その劣悪な環境から逃亡することを決意する。農園を抜け出し、「地下鉄道」に乗って、奴隷制度のない北部を目指すコーラ。その先に待ち受ける「自由」とは。 地下鉄道作者:…

残酷すぎる成功法則 | 自己啓発の科学的まとめ本

自己啓発と聞くと、如実に嫌な顔をする人がいる。それは無理もない話で、これまでの自己啓発本の多くは科学的な証拠がなく、「こうすればうまくいきますよ、信じてください」というようなものが多かった。それではほとんど宗教と同じである。普通の人は宗教…