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本や映画やドラマについての感想文

オルタード・カーボン | 魂と権力の耐用年数

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あらすじ

27世紀。人類は魂をデジタル化し、保存・転送する技術を獲得していた。
政府に反抗した罪で魂を幽閉をされていたタケシ・コヴァッチは、250年の時を経て釈放される。大富豪のバンクロフトが自らを殺害した犯人を突き止めるため、コヴァッチを解放したのだ。
暴力、ドラッグ、肉体改造が横行し、さらには富豪が神を自称するまでに拡大した格差が存在するディストピアで、タケシ・コヴァッチは殺人の調査を始める。

www.netflix.com

感想

Netflix製作、2018年2月2日配信開始。
『ブレード・ランナー』を彷彿とさせる世界観と映像美という触れ込みだったので、配信直後から観てはいたのですが、途中で視聴をストップしていたのもあって、全10話を見終わるまでに3ヶ月が経過。

というのもこれ、シーズン前半はたいしておもしろいと感じられなかったんですよ。
どんどん造語が飛び出してくるし(スタック、スリーヴ、ニードルキャスト、リアルデス etc… 全話見た今でも覚え切れている気がしない)。
4話が終わっても、登場人物は増える一方だし。
暴力と性描写は生々しいし。
いつまで経っても物語が収束する気配がないから、このドラマは世界観とか映像美の雰囲気を楽しむ系のドラマなのかなあと。
そうなると自分には合わないなあと一旦放置。

ゴールデンウィークになり、時間ができて、Netflixの「視聴中」の欄にいつまでも置いているのも忍びないので、視聴を再開。
そうするとどうでしょう。おもしろいではないですか。
特に、ある人物が颯爽と登場する6話以降。シーズン前半で、ただ散らかしているだけだと思っていた内容が、見事にエンディングへと収斂していく。

伏線の張り方、回収の仕方で気持ちいいなと最近思ったドラマは『ロスト・イン・スペース』なんですが、この『オルタード・カーボン』はまた違った気持ちよさ。 『ロスト・イン・スペース』はほぼ1話ごとに伏線の「種まき」とその回収の「収穫」があって、カタルシスが1シーズンに何度もある「多毛作」。
『オルタード・カーボン』は前半でいくつも種をまいて、後半の1度の収穫に賭ける「一毛作」。
始まったら最後まで観客を拘束できる映画ならまだしも、ドラマという媒体で「一毛作」をやるのはかなり勇気がいるよなあと。

テーマの描き方も良い。 魂の保存技術のおかげで永遠の寿命と強大な権力を得た富裕層の狂気がなんとも言えない。きっと魂にも権力にも、耐用年数みたいなものがあるんだろう。
SFには現実への風刺がつきものだと思っているんですが、現代社会の耐用年数は大丈夫でしょうか?

エンディングも寂寥感と希望を共存させていて、とても良い。

続編

原作は三部作。
Netflixのことだから、当然シーズン2を考えているはず。
原作を読んで先取りしておきたいのだけれど、絶版なのかAmazonには古本しか出ていない。出版社の方、ぜひ復刊を。
そしてNetflixの方には、ぜひシーズン2、そして3を製作していただきたい。

オルタード・カーボン(上)

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ブロークン・エンジェル 上・下巻 2冊セット

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ウォークン・フュアリーズ 上―目覚めた怒り

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