グレイテスト・ショーマン | 歌と踊りの直球勝負

あらすじ

19世紀のアメリカ。会社を解雇されたP.T.バーナムは、オンリーワンの個性を持つ人たちを集めたショーを思いつく。型破りなショーに対する周囲の反発や、一時の成功で自分を見失いそうになりながらも、バーナムは幸せをつかみとる。

グレイテスト・ショーマン(サウンドトラック)

グレイテスト・ショーマン(サウンドトラック)

感想

予告編の音楽とダンスがかっこいいから気になってはいたのだけれど、正直、警戒していたのです。あまりに「個性」っていうテーマを全面に押し出しすぎじゃないかと。 そのテーマが大事なのはわかるけれど、ここ最近の映画は「個性」「多様性」「ありのまま」というようなものが多過ぎて、食傷気味な感じがありまして。
それに映画の題材のフリークスショーには、予告編のような誰もがきらめく舞台というよりは、普通とは違った人たちを見世物にする場所という勝手なイメージが自分の中にあったので(フリークスという言葉を初めて知ったのが、子供の頃に読んだ『ダレン・シャン』ということもあり)、それを「個性」の発揮と結びつけるのは、何だか無理やり過ぎないかと。

けれど単純なことに、映画の幕が上がり、ヒュー・ジャックマンが歌い、踊り出したら、そんな警戒は吹き飛んでしまったのです。
テンポの良い音楽に、キレキレのダンス。それが矢継ぎ早に繰り出される、ジェットコースターのような105分。
キャラの立たせ方やストーリー展開に難があるのは感じるけれど、無理やりと言ってもいいくらい、音楽とダンスで観客を引っ張っていく。
ここまでミュージカルに特化して開き直られたら、テーマが濃すぎるとか、本当のフリークスショーはこうじゃなかったんだろうなとか、細かいことは気にならない。
この映画はP.T.バーナムという実在の人物をモデルにしてはいるけれど、彼やその周囲の人間を史実通り、忠実に描こうなんて考えてはいないのだろう。
ただ単純に、「個性」というテーマを歌と踊りで表現したかっただけなんだ。
ここまでエッジの立った映画を作るのは、スタッフたちも楽しかっただろうなと。

そんなことを感じながら、映画館を出た私は、家に帰り、早速サウンドトラックを買ったのでした。

グレイテスト・ショーマン(サウンドトラック)

グレイテスト・ショーマン(サウンドトラック)