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本や映画やドラマについての感想文

ザ・サークル|人生お金じゃない、いいね!の数だ

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『ベストセラー・コード』でアルゴリズムが絶賛し、11月10日にはトム・ハンクスとエマ・ワトソンが出演する映画が公開!
否が応でも期待が高まる。

ザ・サークル (上) (ハヤカワ文庫 NV エ 6-1)

ザ・サークル (上) (ハヤカワ文庫 NV エ 6-1)

GoogleとFacebookを合わせたようなソーシャルネットワーキング会社サークルが舞台。サークルは全ての人間をつなぎ、データベース化し、社会の透明性を極限まで高めていく。その透明性の推進が行き着く先は?

『ベストセラー・コード』のアルゴリズムが絶賛したということで、映画化にともなう文庫化を待って読み始めたんですが、正直、期待が高すぎた。
大事な展開はスッと終わらせるのに、「これ、必要なの?」という描写が多々あって、非常にリズムが悪いのです。見開きで丸々1段落使っている本なんて、学術書でもなかなか見ない。

秘密は嘘、分かち合いは思いやり、プライバシーは盗み 下巻p97

という言葉が象徴するように、ネットに上げてシェアすることが半ば義務のようになってしまっている社会の空気に感じる気持ち悪さが本のテーマなのだけれど、日本のSFファンにはそれほど真新しい概念じゃなくて、伊藤計劃が『ハーモニー』でもっとスマートに描いている(映画版は見てはならない)。

登場人物は数が多いし、薄っぺらいしであまり魅力を感じず。 SFに欠かせないガジェットもワクワクしない。 物語の鍵になる社会に透明性をもたらす道具の説明が「とにかく小さいカメラ!」なんて寂しいですよ……。SFとして見るのが間違いなのかもしれないけどさ……。

そんなこんなで、この本を絶賛するアルゴリズムとはどうも好みが合いそうにないと思うのと同時に、やっぱり伊藤計劃はすごかったなと再認識したというのが感想でございます。
楽しみ方としては『ベストセラー・コード』を読み、『ザ・サークル』を読み、『ハーモニー』を読み直すというのがいいかと。もちろん、『ハーモニー』だけ読んでもよい。

ザ・サークル (上) (ハヤカワ文庫 NV エ 6-1)

ザ・サークル (上) (ハヤカワ文庫 NV エ 6-1)

ベストセラーコード 「売れる文章」を見きわめる驚異のアルゴリズム

ベストセラーコード 「売れる文章」を見きわめる驚異のアルゴリズム

ハーモニー〔新版〕 (ハヤカワ文庫JA)

ハーモニー〔新版〕 (ハヤカワ文庫JA)