作者-伊坂幸太郎

逆ソクラテス | 道徳の時間です

感想 伊坂幸太郎デビュー20年目の短編集。収録5編のうち、書き下ろしは3編。 小学生の主人公たちが教師の決めつけやいじめの原因といった「先入観」に立ち向かう。 先入観がひっくり返る瞬間はとても心地いい。 逆ソクラテス (集英社文芸単行本)作者:伊坂幸…

クジラアタマの王様 | 夢に逃げるな。現在と戦え。

あらすじ 製菓会社に寄せられた一本のクレーム電話。広報部員・岸はその事後対応をすればよい…はずだった。訪ねてきた男の存在によって、岸の日常は思いもよらない事態へと一気に加速していく。不可思議な感覚、人々の集まる広場、巨獣、投げる矢、動かない…

フーガはユーガ | 伊坂幸太郎の『悪童日記』

あらすじ 常盤優我は仙台市内のファミレスで一人の男に語り出す。 双子の弟・風我のこと、決して幸せえなかった子供時代のこと、 そして、彼ら兄弟だけの特別な「アレ」のこと。 —— 帯文より フーガはユーガ作者: 伊坂幸太郎出版社/メーカー: 実業之日本社発…

火星に住むつもりかい? | 正義と平和は危ない言葉

あらすじ 「平和警察」によって取り締まれられる仙台。平和警察の管理下では、住人の監視と密告によって「危険人物」と見なされた者は、衆人環視の中で処刑される。そんな不条理渦巻く世界で窮地に陥った人々を救うのは「正義の味方」、ただ一人。平和警察と…

ホワイトラビット|とびはねるプロット

いつも他の作家とは違った語り口で読者を楽しませるのが伊坂幸太郎だけれど、今回はいつも以上のぶっ飛びよう。 神さまのような視点から「次にはこういうことが起こります」「そのころこちらではこういうことが……」と地の文で説明してしまう(『レ・ミゼラブ…

AX|同じだけど違うものを

『グラスホッパー』『マリアビートル』から続く、伊坂幸太郎の「殺し屋」小説第3弾。今回は恐妻家の兜が主人公。 ハリウッドの脚本市場でいうところの「同じだけど違うものをくれ」という要望に応えるような作品。 AX アックス (角川書店単行本)作者: 伊坂…